以前から気になっていた読書会に、きのう初めて参加した。
その帰り道に投稿したのがこちらのツイート。
初参加した #猫町倶楽部 #東京OP会 、楽しかった。『知識創造企業』を題材に、途切れることなく2時間も語り合えるとは驚きです! ありがとうございました♪ https://t.co/eURDLeWD6p
— 堺 寛 (@hiroc_sk) 2016年1月16日
課題図書『知識創造企業』を15年ほど前に読んだことがあり、「なぜ今この本を?」と疑問に思ったのが参加のきっかけだった。
正月明けに本棚からとりだして再読し始めたものの、最後のページを読み終えたのは読書会に向かう電車の中というギリギリさ(笑)。
それでも、2016年の視点で改めて本書の内容に向き合えたのはよかったな、と心から思う。
以下、読書会と課題図書について感じたことを…。
猫町倶楽部 東京アウトプット勉強会『知識創造企業』
参加したのは、読書会・猫町倶楽部 のなかでも「東京アウトプット勉強会」という会(サブグループ?)。今回が第80回というから、その継続性たるや、すごい!
※過去の読書会の課題本リストにも、読んだことのある本、読みたいと思いつつ未読のものが多数ある
この日の課題図書は、上でも触れた『知識創造企業』。
著者おふたり(野中郁次郎さんと竹内弘高さん)が、「組織的知識創造」というコンセプトを世界に発信するためにもともと英語で発刊された本であり、それを日本語訳(逆輸入?)されたのが本書だ。
日本企業の事例が多数掲載されていて、2000年当時 勤め先でのノウハウ共有・流通(=ナレッジマネジメント)というテーマに取り組んでいた僕は、大いに刺激をもらいながら読んだ覚えがある。
読書会でディスカッションしたこと
東京アウトプット勉強会では、8人一組のグループでディスカッションを行った。
僕のいたグループは、男女比が5:3、年齢層20代〜40代、仕事も人事・総務・経営企画・運送・営業・マーケティング…などバラエティに飛んだメンバだったため、角度の違う意見がいろいろと飛び出してきた。
例えば、こんな話。
- SECIモデルって、社内で実践されている?
- 事例で挙げられている会社は今?
- ミドルマネージャー論:プレイヤー? 任せる?
- ミドル・アップダウン・マネジメントをするナレッジ・エンジニアってすごくない?
- 理想の組織のタイプ:リレー・ラグビー・アメフト。サッカー・野球、オーケストラ…
- ノウハウや組織文化をどう伝承している? どうなれば自分から出す?
- 人事異動によるカオス(直前だと…、2週間前でも… ^^;)
- 海外経験をもつことの意味。3歳の子どもが笑顔で”Sorry!” などなど。
ん〜、これだけ読んでもよくわかりませんな(笑)
ただ、読書会の2時間あまり、ほとんど対話が途切れることなく色んな会社や現場での話がきけて、純粋に読書会を楽しむことができた。
僕からは、社内に技術者QAコミュニティを立ち上げたときの話も共有したところ、興味をもって聞いてもらえたみたい。
時代の変化 と 普遍的なもの
変わったこと
本書が書かれた20年前と今では、勤続年数やITプラットフォーム整備状況、国際情勢(中国の台頭)など、大きく変わっている部分があるというのは、議論をするなかで納得感をもって腹に落ちてきた。
当時の活躍企業が必ずしも今も好調なわけでもないし、仕事のやり方やプロジェクトの規模や期間も変わってきている。
一方で、変わってないね、と共感できた部分もある。
変わらないこと
「SECIモデル」として紹介されている4つのプロセス、共同化(Socialization)→表出化(Externalization)→連結化(Combination)→内面化(Internalization)の流れはいまも変わらないだろう。そこで使うツールや場は変わったとしても、だ。
また、知識は究極的には個人が創造するのだけれど、それを増幅したり、新しい何かに昇華させていくには S(Socialization)やC(Combination)などを組織的におこなうことが必要だ、というのもやはり変わっていないように思う。
(参考)組織的知識創造を実践するための7つのガイドライン
p.338に「一般の新聞雑誌で書かれているような単純なものではない。しかしより効果的なことは保証する」との記述がある。
1.知識ビジョンを創れ
2.ナレッジ・クルーを編成せよ
3.企業最前線に濃密な相互作用の場を創れ
4.新製品開発のプロセスに相乗りせよ
5.ミドル・アップダウン・マネジメントを採用せよ
6.ハイパーテキスト型組織に転換せよ
7.外部世界との知識ネットワークを構築せよ
おわりに
初めて参加した猫町倶楽部 アウトプット読書会、想像していた以上に楽しむことができた。
『知識創造企業』を再読してグループで語りあうことで、以前読んだ時にはひっかからなかった箇所にも意識を向けることができたのがありがたかった。特に、ナレッジ・エンジニアであるための5つの資質・要件(p.234)については、最近追いかけている「コミュニティマネージャー」とのからみでもさらに読み込んでみたい。
最後に、読書会代表のタツヤさん、運営してくださったサポーター、ファシリテーターのみなさん、同じグループでお話したみなさんに大感謝!
関連情報
猫町倶楽部
www.nekomachi-club.com
名古屋で始まり、いまは東京・関西(大阪、京都)・金沢等で実施されている巨大な読書会コミュニティ。
参加者は9000人を超えているのだとか(すごい!)
なお、次回の東京アウトプット勉強会は、2月20日(土)に開催されるそうです(課題図書は『ザ・プロフィット』)
- Facebookページ「猫町倶楽部・東京アウトプット勉強会」
- twitter(@tokyo_op )→オンライン読書会 @NekomachiOnline
- mixiコミュニティ「読書会◆東京アウトプット勉強会」
追記: 猫町倶楽部Webサイトにこの日のレポートが掲載されていました。
http://www.nekomachi-club.com/report/30013
猫町倶楽部 発起人 山本多津也さんの著書『読書会入門』
ナレッジマネジメント関連本
上の写真に載せたのはこちらの3冊。僕にとってはどれも社内実践を進める際に読んだ、思い出深い本。
(『暗黙知の次元』は、文庫本になっていたのでそちらのリンクにしました)過去記事
2009年に「人事」の文脈でSECIモデルに遭遇した際の記事。
(当時は、人事異動について考えていたんだなぁ)