あっという間に2021年も大晦日。今年も色んなことがあった。
(その割にブログは書けていないけど…笑)
勤め先では 7月に部署異動し、10年ぶりに人事部 人材開発部門へ。
自社や部署の状況、自身の役割も変わっているのだが、不思議とホームグランドに帰ってきた感じがしてノビノビやれている。
人材開発・育成 界隈の今昔
周りに目をやってみると、育成や成長に関わる人たちの熱意は10年前と変わらない。みな真摯に取り組んでいるし、新たな取組みを試みている人も多くて頼もしいかぎりだ。
一方、10年前と比べて感じる変化は、自身の成長に貪欲な人が増えている、ということ。実際に凄い活躍をする若手も多い。それはいいことなんだけど、「早く成長しなきゃ」と焦りすぎてツラい気持ちになってしまう人もいるようだ。ここはなんとかしていきたい。
人材開発に関するキーワードもすこしずつ変わってきている。
以前からあった「自律的成長」「キャリア開発」「組織開発」という言葉の登場頻度は上がっているようだし、いまでは「ラーナー・センタード」「ラーニング・アジリティ」なんて言葉も飛び交うようになっている。
で、異動から6ヶ月経って、僕が特に気になっているのは「ダイバーシティ」だ。
ダイバーシティ(多様性)と「みんな」
勤め先に「ダイバーシティ&インクルージョン推進室」という部署ができたり、障がい者雇用の面接に立ち会ったり、職場で手話でのコミュニケーションをとる機会ができたりと、僕自身がダイバーシティを身近に感じるシーンが増えた。
みんなちがって、みんないい
これは、金子みすゞさんの詩「私と小鳥と鈴と」の有名な一節だ。
それぞれの得意なこと・苦手なことを挙げたうえで、「それでいい、それがいい」と表現している。まさに多様性、ダイバーシティをうたった詩である。
一方、同じ金子みすゞさんには「このみち」という詩もある。
このみちのさきには、大きな森があろうよ。
ひとりぼっちの榎(えのき)よ、このみちをゆこうよ。このみちのさきには、大きな海があろうよ。
蓮池(はすいけ)のかえろ(カエル)よ、このみちをゆこうよ。このみちのさきには、大きな都があろうよ。
さびしそうな案山子(かかし)よ、このみちをゆこうよ。このみちのさきには、なにかなにかあろうよ。
みんなでみんなでゆこうよ、このみちをゆこうよ。
こちらは「みんなでゆこうよ」とうたっている。
ダイバーシティの必要性は、企業競争力や生き残りのために言われることが多いが、じつはみんなで進むためにこそ必要なことなんじゃないかと思う。
ちょうど10年前、社内向けメルマガで金子みすゞさんの詩「このみち」を紹介していた。
今朝、社内メルマガvol.100を発行した。題材は、金子みすゞさんの詩「このみち」と、エティエンヌ・ウェンガー氏の著作『コミュニティ・オブ・プラクティス』。二つをつないだのは「みんなでみんなで行こうよ、このみちをゆこうよ」というフレーズ。素晴らしい世界へ向かって今ここから出発。
— 堺 寛 (@hiroc_sk) 2011年6月26日
2022年はダイバーシティを胸におきつつ、コミュニティ的なアプローチで人材開発に向き合っていきたい。
関連情報
NHK Eテレ「100分de名著」、2022年1月に取り上げる名著は「金子みすゞ詩集」。第4回で「このみち」が取り上げられています。
www.nhk.jp
社内向けに発行していたメルマガで、「このみち」を紹介した際の話。