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神様のことを考えつづけた1ヶ月 〜 古事記に触れて何を学ぶ?

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東京・目黒区にある烏森稲荷神社。御祭神は倉稲魂命(宇迦之御魂神 ウカノミタマ)



日本は「八百万(やおよろず)の神」の国だという。知識としては頭にあったけれど、まさかこんなに痛感することになるとは…(笑)。

唐突ですが、ここで問題!

神様の名前、いくつ読めますか?

伊邪那岐命、伊邪那美命、天照大御神、須佐之男命、大国主神、建御雷神、邇邇芸命、神倭伊波礼毘古命…

古事記に学ぶ読書会

さきほど挙げた神様は、すべて古事記に登場し、日本神話のなかで大きな役割を担っている方々。

※ちなみに、読みはこう(↓)なります。

伊邪那岐命(いざなぎのみこと)、伊邪那美命(いざなみのみこと)、天照大御神(あまてらすおおみかみ)、須佐之男命(すさのおのみこと)、大国主神(おおくにぬしのかみ)、建御雷神(たけみかづちのかみ)、邇邇芸命(ににぎのみこと)、神倭伊波礼毘古命(かむやまといわれびこのみこと)…


ぱっと読めないし、覚えるのもなかなか難しい。そんな神様の名前が、脳内をものすごいスピードで通り過ぎていく。そんな体験をしたのは、古事記の読書会に参加すると決めたため。


これまでの人生で、もっとも神様について考える1ヶ月となった。

古事記のテキストあれこれ

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『新版 古事記』と「神々の相関図」(『はじめて読む人の「古事記」』より)


日本史では「日本書紀」と並んで登場する「古事記」。みなさんは、読んだことがありますか?
かくいう僕もこれまでに読んだことがなく、何が書いてあるかも今回初めて認識した次第。

いまから約1300年前に完成した古事記は、3巻で構成されている。
日本の島々が生まれるところから始まり神倭伊波礼毘古命(初代天皇 神武天皇)までの神話を記した上巻。神武天皇から応神天皇までを記した中巻。仁徳天皇から推古天皇までを記した下巻。

実は、天の岩屋戸、八俣の大蛇、稲羽の白兎などの物語、三種の神器の謂れも古事記に書かれている。


今回の読書会での課題図書は、角川ソフィア文庫の『新版 古事記』(中村啓信 訳注)。

新版 古事記 現代語訳付き (角川ソフィア文庫)

新版 古事記 現代語訳付き (角川ソフィア文庫)


訓読文・現代語訳・本文(原文)に分けて構成されており、丁寧な索引がついている本。文庫とは思えないほど情報量たっぷりなのだけど、とっかかりとしてはやや難しい。

そこで、読書会参加予定メンバの Facebookグループでオンライン情報交換し、入門書や解説Webサイトを紹介してもらうことで全体感をつかむことができた(記事最後でご紹介します)。


なかでも、『初めて読む人の「古事記」』は「神々の相関図」が載っていたり(上の写真)、イラストも交えて書かれており分かりやすくてオススメ!(書かれている内容は古事記上巻、神武東征まで)

はじめて読む人の「古事記」

はじめて読む人の「古事記」


そんな事前知識をもとになんとか課題図書を読み終え、読書会当日を迎えることができた。

お題「強く印象に残ったのは?」「古事記から何を学んだ?」

人間塾 読書会では、課題図書について「お題」をもとに話し合うスタイルをとっている。

今回のお題は次の2つ。

  1. 本文中の物語・人物(神様)の中で、強く印象に残ったことは?(なぜ心に引っかかったのか)
  2. 今回、古事記に触れて何を学びましたか?(学べそうですか?)


読書会当日に確認すると、これまでに古事記を読んだ経験があるのは数人のみ。
ほぼ初めて触れる古事記の世界に困惑しながら、各自がいろんなテキストを参考に読書をすすめてきてくれた。おかげで、ディスカッションではいろんな意見が飛び出す展開に…。

  • 神様の自由奔放な振る舞いに驚き!
  • 生まれたり、殺したり。いそがしい…
  • 同時期に編纂された日本書紀との違いが興味深い
  • 神様の系譜を書いた!
  • 伊勢神宮や出雲大社を参拝したご縁を思い出した
  • 自分は日本人だなーと感じた
  • 神社をみると誰が祀られているか気になった etc.

こういう意見交換ができるのが読書会の醍醐味!

僕自身、神話や歴代天皇の系譜を読むことで神妙な気持ちになるかと思っていたが、さにあらず。むしろ、読み物としての古事記を純粋に面白く感じた。自分で気づかなかった記述や他の参考文献の情報も教えてもらい、さらに興味が高まる時間となった。

「強く印象に残った神様は?」

なお、お題1に対して神様の名前をあげてくれた人も多かった。

今回、一番人気(?)があったのが大国主神。兄である八十神からの仕打ちに耐え、須佐之男命からの数々の試練を乗り越え、葦原中津国の国造りを完成させる。でも、せっかく造ったその国を国譲りしてしまう。その優しさや謙虚さが、日本人のアイデンティティにつながっているのではないか、という主張にはうなづけるものがあった。


ちなみに、僕が心惹かれたのは思金神(おもいかねのかみ)。要所要所で“ご意見番” 的に登場し、アドバイスをした神様。天の岩屋戸に籠もった天照大御神を外に連れ出す作戦を授け、国譲りの前にどの神様を遣わすかの候補を出し、天孫降臨では自身も邇邇芸命に伴っており、政治をつかさどる。心のどこかで、そんな役回りができる人でありたい、と感じているからかもしれない。

自分と繋がる神を探すために古事記に触れる。そんな読み方もありだと思う。

おわりに

今回古事記を読んで良かったことが、もう一つある。

それは、自分自身が日本の脈々たる流れの一部だと実感できた、ということ。神社への参拝も、より意識的に実施するようになった。

読書会開催会場そばにも神社があり、会が終わったあと皆を誘って参拝にも行った(冒頭の烏森稲荷神社の写真)し、近所の神社の祭神も調べてみた(面足能命(おもたるのみこと)、惶根能命(かしこねのみこと) だそうな)。


その後も、横浜・桜木町にある”関東のお伊勢さま”こと 伊勢山皇大神宮へ訪れたり…。


古事記に触れることで現れた行動の変化。
今後も大切にしていきたい。

参考情報

読書会メンバの紹介本

事前のオンライン情報交換、読書会当日に紹介しあった本を並べておきます。
NHK「100分de名著」ブックス 古事記現代語古事記: 決定版マンガ 面白いほどよくわかる!古事記
ぼおるぺん古事記 (一)天の巻ぼおるぺん古事記 (二): 地の巻ぼおるぺん古事記 三: 海の巻新釈古事記伝全7巻

他にも 「古事記」関連本は多数出版されているので、まずは1冊目を通してみてはいかが?

読書会人間塾

東京・名古屋・関西で毎月1冊 同じ課題図書を読み、互いに学びあう読書会を開催しています。

次回 3月30日は『モリー先生との火曜日』(ミッチ・アルボム著)に学びます。ALSと診断された恩師モリーから毎週火曜に個人授業を受けた著者の綴った一冊。ご興味あれば以下のURLからお申し込みください。
https://kokucheese.com/event/index/557268/