本格的に学びたくて3月15日に開催された以下のコースを受講してきた。
ワールド・カフェ・プラクティショナー養成コース
▼ワールド・カフェ・プラクティショナー養成コース|HUMAN VALUE
ワールド・カフェは、人々がオープンに会話を行い、自由にネットワークを築くことのできる「カフェ」のような空間からナレッジを創発する話し合いの方法です。米国をはじめ、ヨーロッパやアジアに普及し、ビジネスをはじめとして様々な分野で活用されています。最近では、日本においても関心が高まってきました。
(略)
このコースでは、ワールド・カフェを実際に体験していただきながら、ワールド・カフェの原理とプロセスのあり方を探究していきます。また、具体的に提示の仕方の違いや場づくりの違いが、どのように参加者の姿勢や相互作用に影響を与えていくかも検討していきます。
※受講中の写真*1
(我ながら楽しげな表情!)
受講前までは、「ワールドカフェ」については対話技法としての HOWTO に注目していた。いわゆる、「3つのラウンドで構成され、ラウンド1で話しあい、ラウンド2で他のテーブルに移動して対話し、ラウンド3で元のテーブルに戻ってきて…」という方法論の部分だ。
しかし、今回ワールド・カフェのプロセスや構造を学び、自分たちで体験してみて考えが変わった。
ワールド・カフェの本質は、そこでなされる対話や出されるアイデアそのものではなく、対話による相互作用を通じて一人ひとりに生まれる「想い」にあるのではないか。
すなわち、誰かの「本気」が呼び醒まされることにある、と考えるようになった。(ちなみに、テキストの中では、次のような言葉で紹介されている)
個人とグループと全体が、ダイナミックに相互作用を起こし、個と集団と全体とが共時的に新たな意味を創発し、個々人の中で明確化される、きわめてシンプルで、原則的なアプローチ
もちろん、ワールド・カフェの効果・効能は個人にとっての価値だけではない。参加者にとって「大切な問い」をたて、ふだんの立場や役割を超えた対話ができれば、結果的にはグループ全体としての一体感やエネルギーが湧くことにもつながるはずだ。
4月に、自身が企画・主催して、ある社内会合を開く。
ここで通常の計画共有時間のあと、第二部としてワールド・カフェを取り込むことを、受講後のいま真剣に検討している。
3月15日にワールド・カフェをともに体験*2したみなさんとは、5月にフォローアップセッションでまた再会する。そのときに、笑顔で報告できるようにしたい。
以下、当日印象に残ったキーワードをもとに、感じたことを備忘的に記述。
段取り9割
その日、どんな対話がうまれるかは、事前の段取りに大きく左右される。
「参加する人たちがどんなことを話したいか」を十分に意識しつつ、「どんな場にしたいか/したくないか」というファシリテータとしての想いを重ねあわせて、「大切な問い」を考えることがポイントになる。
黒子 or だし
ワールドカフェ当日、ファシリテータは議論をコントロールしようとしない方がよい。誰かがずっとしゃべり続けていたとしても、ネガティブな意見が出たとしても…。むしろ、その場にいる参加者の力を信じ、ワールド・カフェという方法を信じることで、結果的にはよい気づきがあふれた場になる。
「ファシリテーターはパセリ」というメタファーも出たが、僕は「黒子」(舞台にはでない)あるいは「だし」(見えないけれど自分も味の一部)の喩えの方がしっくりきた。
おもてなし & いつもと違う感
みなが誰かの発言に耳を傾け、判断を保留して、対話がすすむようになるためには、ホスピタリティあふれる空間や場をつくることが大切。そのためには、非日常性=いつもと違う感、も大切。
模造紙やカラフルなペン、華やかなテーブルクロスやお花もすべてそのためにある。
あと、お菓子 重要!(笑)
関連情報
参考書籍
本講義の副読本は、講師をつとめてくださった川口さんが共訳した『ワールド・カフェ 〜カフェ的会話が未来を創る』。
- 作者: アニータブラウン/ デイビッドアイザックス/ ワールド・カフェ・コミュニティ,香取一昭/ 川口大輔
- 出版社/メーカー: ヒューマンバリュー
- 発売日: 2007/09/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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他にも、「ワールド・カフェ」について次の情報リソースが参考になる。
- 作者: 香取一昭,大川恒
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2009/11/13
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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