このブログでも時々紹介している、朝日新聞の日曜コラム「仕事力」。
今日の紙上には糸井重里さんのコラム「喜んでもらおうよ」の第3回が載っていた。
http://www.asakyu.com/column/?id=1106
第1回、第2回のコラムでは、東日本震災以降、「働くこと」に対するみなの考え方が変わってきたと語っていた糸井さん。今回は、役職や立場といった「組織のヒエラルキー(序列)」そのものが今の若者には響かなくなっていると語ったあと、こんな言葉をつないでいる。
それに代わって、ちょっと面白い言い方ですが「格好良さのヒエラルキー」はあると思う。その人の生き方が、自分のなりたい生き方と重なって見えたら、私たちは憧れ、見習いたいと思いますよね。(略) 通じる部分が見つかると、人はうれしくなってモチベーションが上がるものです。それが仕事の原点だし、人間の原点だと僕は思いますね。
この言葉には強く共感できる。
職場にも地元にも学びの場にも、そういう格好良さをもった人は確実にいる。
僕のなかの「格好良さのヒエラルキー」で最上位に位置する人には共通点があるらしい。一つは、高い志をもちそれを素直に語れること、そしてもう一つは言行一致で自らを律して実践しつづけていることだ。
糸井さんもまさにそんな方だし、今年1月から参加している勉強会“「人間塾」in 東京”の塾長 小倉広さんも僕にとってそんな方のお一人である。
昨日行われた第2回人間塾でのシーンである。
森信三さんの著書『修身教授録』のなかの言葉「知行合一(ちこうごういつ)」について、「どうすればそんな風になれるのか」をグループでディスカッションした。全グループのディスカッション内容を共有・吟味したあと、小倉さんが「私が考えるには…」と話してくれたのが次の4ステップだ。
- 受け入れる(=評論家にならずに、丸受けする)
- 小さく動く(=やってみる)
- 失敗する
- 100〜200回やり直す
本を読んだり誰かの話を聞いたりして「よいなぁ」と思ったことは、そのまま受け入れてまずやってみる。次に、当然のステップとして失敗する。ここでの失敗をあらかじめ想定しておくところが僕の中にはなかった新鮮な考え。そして、一度や二度の失敗でめげずに、100回〜200回やり直してみる。そこまでやって初めて、「こうすればいい」という知識が自身の習慣的行動として一致していくのだろう。
最初の話と合わせて考えてみるに、「知行合一」となっている習慣をより多く持っている人が、結果として「格好良さのヒエラルキー」の上位に位置するのではないか。
糸井さんと小倉さん、尊敬するお二人から別々にもらった言葉が、僕の中でこんな風に一つに溶け合った。この新たに生まれた知識(仮説?)こそ、自身の実践を通じて証明していきたいと思う。

- 作者: 森信三
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小倉広「人間塾」について
「【 人間塾発足の経緯1 】大きく息を吸い込む|小倉 広 公式ブログ」より転載。
「リーダーシップとは生き様そのものである」。真のリーダー育成は「人間力」を高める他に方法はない、との信念から開始した参加費無料の勉強会、小倉広「人間塾」。森信三、安岡正篤など、東洋哲学の薫陶を受けた偉人たちの書籍をテキストに月一回、東京、関西、名古屋で開催しています。
過去の関連エントリ(朝日新聞「仕事力」コラムつながり)
- 盾=柔らかなハートを守るもの(2006-04-17)村上龍さん
- 賛辞より罵倒が気になる動物 〜 だからこそ敬意(リスペクト)を!(2011-09-04)山下達郎さん