THE BIG ISSUE vol.131 の冒頭記事リレーインタビューで、作家の田口ランディさん*1が語っていたセリフ。
「それは不幸で大変でしたね」と言われるんですが、人間って不幸せのど真ん中にいると、そのことに気がつかない。不思議な生き物なんですよ。
「不幸」といえるほどのひどい不幸は体験していない僕だが、小中学生時代に友人関係でひどく悩んでいたことがある。周りからは「あんなことされているのによく我慢できるね」なんて言われてたけど、自分自身ではそんな自覚はあまりなかった。後から思えば、もっと早く何かできなかったかなとは思うのだが…。
そんな意味で、田口さんが言わんとしていることは分かる気がする。今に没頭していれば、自分が不幸かどうかなんてことは考えないんだろう(良くも悪くも)。今の自分を嘆いたりすることにウンウンうなったところで、現実はかわらない。それよりは突き動かされる衝動をもとに何かに取り組んでいた方がいい。田口さんはこの時期にあるメルマガに寄稿し続けた文章がきっかけで小説を書く機会を得たのだとか。
結果がどうであったのかは、時が経ってから「そういえば…」という感覚でやってくるのを待つくらいでちょうどいいのかもしれない。
まずは、今を生きよう。
追記
田口さんがインタビューで紹介していた「29歳人生変動説」も興味深い。曰く”男も女も29歳で何らかの転機が訪れる ―― 人生をかけてやっていく仕事を見つけたり、一生を決定づけるような人と出会ったりするというもの”らしい。占星術的にいえば「サターンリターン」といって、土星が自分が生まれた日にあった位置に戻ってくる周期が29年なんだとか。
そういえば、僕が「ナレッジマネジメント」という概念に出合ってのめりこんでいったのは29歳だった。なんとなく納得できる説だ。
*1:初めて写真を拝見。作品を読んだことのない僕は、これまで男性だと勘違いしてました。ゴメンナサイ!