先日、一般社団法人 人間塾主催の「『道は開ける』に学ぶ読書会」に参加した。
本書は、デール・カーネギー氏の代表作のひとつで、『人を動かす』に次いで読まれている有名な本だ。テーマは「悩みの実態とその克服法」であり、さまざまな種類の悩みについて、カーネギー氏が YMCA夜間学校の成人クラスで講義をした内容をベースとして、さらには受講者たちの体験も織り交ぜて綴られている。

- 作者: デールカーネギー,Dale Carnegie,香山晶
- 出版社/メーカー: 創元社
- 発売日: 1999/10/20
- メディア: 単行本
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「自己を知り、自己に徹しよう」
読書会前に読みながら、数多くのページの端を折り、ラインを引くことになったのだが、中でもいちばん響いたのは PART4 16節「自己を知り、自己に徹しよう」の次の箇所だった。
ふとした言葉が私の人生を変えたのです。夫の母が、自分の子供たちをどのように育てたかという話をしながら、こんなことを言いました。『どんな場合でも自分らしくふるまうようにと強調してきたのよ』。……『自分らしくふるまう』……この言葉がきっかけでした! その瞬間に私は理解しました。今までの不幸の原因はすべて、順応できない型の中へ自分自身をはめ込もうとしていた点にあったのです。(p.220)
「順応できない型の中へ…」の部分がなんとも痛い感じ。
読書会のなかで、他にもこの箇所が一番響いたと挙げている人がいて、つよく共感!
カーネギーも二度陥った過ち
で、この節では、カーネギー氏自身の体験についても語られている。
ミズーリからニューヨークに出てきて俳優を目指していた彼は、名優たちの演技を研究し、長所をまねて華麗な名人芸を身につけようと努力していたらしい。ただ、何年を浪費しても芽が出ず、他人になんか絶対になれないと悟り、俳優の道を諦めた。
その数年後、今度はビジネスマンのための話術の本の企画を思いたち、また同じ間違いを繰り返してしまう。これまでにない名著を書こうと意気込んで、世に出ている話術の本を研究し、さまざまな著述家のアイデアを盛り込もうとするのだ。懲りたはずなのに…(笑)。
1年がかりで原稿にまとめたところで、ふと我に返った。
「他人のアイデアの寄せ集めは不自然でおもしろみがなく、読んでもらえそうにない」と! そのときに得た気づきがこちら。
「おまえは欠点や限界もそっくり含んだデール・カーネギーになりきるのだ。おまえは自分以外の者になれるわけがない」。こうして他人の合成物になることを断念した私は、奮起一番、最初から実行すべきであったことに着手した。自分自身の経験や観察、人前で話したときや話術を教えたときの自信にもとづいて、話し方についてのテキストを書き上げたのである。(p.226)
「自分以外の者になれるわけがない」は、ほんとにその通り。
「自分自身になりきる」ことを貫いた結果、やはりロングセラーとなった『話し方入門』が生まれているわけで…。
この節では、多くの著名人が「らしさ」にこだわったエピソードをなおも紹介しつつ、最後にこう結論づけている。
●他人のまねをするな。自己を発見し、自己に徹しよう
同じ考えが別の本にも…
実は、このパートを読みながら、思いだしたのがこちらの本。

ストレングス・リーダーシップ―さあ、リーダーの才能に目覚めよう
- 作者: トム・ラス,バリー・コンチー,田口俊樹,加藤万里子
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2013/03/23
- メディア: 単行本
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このブログでも何度か紹介した、ストレングスファインダー(StrengthsFinder)という強み診断。本書は、この診断や研究を実施しているギャラップ社の2人が書いたもので、34個の強みごとにそれを活かしてどんな風にリーダーシップをとっていくとよいか、が書かれている。
象徴的なのが、表紙裏にあるこちらの言葉。
ジョブズを真似ても成功できない?
あなたの強みを活かした、
あなたならではのリーダーシップを見出そう。
誰もジョブズ氏にはなれない。だったらどうする? というのを個別に考えよう、ということ。
まとめ
『道は開ける』と『ストレングスリーダーシップ』。
書かれた時代はずいぶん離れているし、僕自身が読んだ時期も違うのだけれど、今回の読書会体験のおかげで1つにつながった。(実を言うと、最近読み始めたもう1冊の本にも絡むのだが、その話はまた今度…)
このつながりには、きっと何か意味があるはず。
「欠点も限界もそっくり含んだ自分」になりきったうえで、強みを見つめ活かしていこう。
ストレングスファインダー関連エントリ
2008年に2回目のストレングスファインダー診断をした際に書いたのがこちら。
(1回めは2002年に診断してました)
2回目の StrengthsFinder(5つの強み診断) - ヒト感!!
5つの強みのうち、3つが変わっていました(仕事内容が変わった影響?)が、やはり納得度は高かったです。
ストレングスファインダーについては以下の本の方が先に出版されており、強みについての解説も豊富なので、未読な方は最初に読むにはこちらをオススメします。

さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす
- 作者: マーカスバッキンガム,ドナルド・O.クリフトン,田口俊樹
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2001/12/01
- メディア: 単行本
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どちらの本にも診断用のコードがついているので、気になる方を