2060年。生きていれば僕は90歳になる。今から54年後のこの世界は、いったいどんな風になっているだろうか。
致知2006年5月号に紹介されていた「九州郷土料理 八重洲有薫*1」の店主、郄山亀雄さんは大正5年生まれで現在90歳。
昭和27年に久留米市で「有薫酒蔵」という郷土料理店をお姉さんと開店し、その後昭和34年に東京へと進出を果たしたのだとか。現在では、銀座店、新橋店など6店舗に拡大し、自身も八重洲店の店主をつとめておられる。
インタビューでは、店を立ち上げた際のエピソードや商売の秘訣などを語ったあと、毎年敬老の日におこなっている久留米市のある養護老人ホームへの慰問活動についても触れられていた。
ある日お店に来たお客さん(=この老人ホームの園長さん)が「こんなうまいカマス寿司、じいさん、ばあさんに食べさせたらどんなに喜ぶか」と言ったことがきっかけとなって、この慰問活動は始まったらしい。1回だけのつもりが、あまりに喜んでもらえたので以来44年間続いているのだとか。
そんな郄山さんの活動は新聞にもとりあげられるようになったが、中には「かしこいねぇ」「宣伝がうまいねぇ〜」と揶揄する人もいたらしい。
その時は、はぁーとがっくりして、もうやめようかと思いました。でも、ここでやめちゃならん、負けちゃならんと思って、「私は偽善者でけっこうですよ。その代わり、一生続けますから。私は来年も行きますから、あなたも百円でもいいから持ってこんですか。十年続ければ千円になる」といったんです。
そうやって、人から悪く言われた時、腐された時、それを発奮のもととしてやってきたこと。それが後に私の宝物になったのだと思います。
人間、これくらい大きな心でいたいものである。
おまけ
最近、『致知』にて心に響く言葉をたくさん見つけていることもあり、感謝と応援の意味をこめて「『致知』ファン」リングを作ってみた。
http://chichi.ring.hatena.ne.jp/
「致知」読者の方で、趣旨に共感してくださる方はご参加を…。
*1:http://r.gnavi.co.jp/g231000/ に「とうちゃま」こと郄山さんのにこやかな顔写真あり