前回エントリで12月号を紹介していたら、はやくも次の号が届いた。
致知2011年1月号の特集は「盛衰の原理」。
なにが盛衰を分けるのかは、すごく気になるテーマだ。
特集の扉ページには、藤尾編集長がその月のテーマにそったリード文を書いておられる。
今月は、伊勢神宮をはじめ全国にある神社が今も地域の人たちに祝われていることを、遺跡となってしまったギリシャの神殿との比較で語られていた。「目に見えないもの、人知を超えたものを畏敬し、尊崇」してきた僕らの先祖のおかげで、いまの日本の繁栄があるのだなとあらためて感謝の気持ちが湧いてきた。
扉ページの最後に紹介されていた、坂村真民さんの詩「あとから来る者のために」がとても印象的だったので引用したい。
「あとから来る者のために」(坂村真民さん)
あとから来る者のために
田畑を耕し 種を用意しておくのだ
山を 川を 海を きれいにしておくのだ
ああ あとから来る者のために
苦労をし 我慢をし みなそれぞれの力を傾けるのだ
あとからあとから続いてくる あの可愛い者たちのために
みなそれぞれ自分にできる なにかをしてゆくのだ
先祖にしてもらったことの恩返しとして、自分たちの子孫へとよきものを遺していきたい。
それは自然や風土を守ることでもあるだろうし、新しい「なにか」を創りだしていくことでもあると思う。
あとから来る者のために。
この大切な気持ちをあらためて意識させてくれた、坂村真民さんと致知出版のみなさんに感謝です。
関連リンク
上で紹介した「あとから来る者のために」は次の詩集に収録されている。
これまで坂村真民さんの詩はしっかり読んだことがなかったので、第一集とともにさきほど頼んでみた。届くのが楽しみ。
追記(2010/12/22)
『詩集 二度とない人生だから』が届いて読んでみたところ、致知で引用されていたのとほんの少し違っていた。
- タイトル、本文:あとから来る者のために → あとからくる者のために
- 本文:「苦労、我慢」の書かれている位置、「しんみんよ……」と自らへ向けた言葉が入っている
発表媒体によって何種類かあるのだろうか。参考までに『詩集 二度とない人生だから』掲載バージョンを以下に載せておきます。(改行位置は原文まま)
あとからくる者のために
苦労をするのだ
我慢をするのだ
田を耕し
種を用意しておくのだ
あとからくる者のために
しんみんよお前は
詩を書いておくのだ
あとからくる者のために
山を川を海を
きれいにしておくのだ
あああとからくる者のために
みなそれぞれの力を傾けるのだ
あとからあとから続いてくる
あの可愛い者たちのために
未来を受け継ぐ者たちのために
みな夫々自分で出来る何かをしてゆくのだ