10月21日、愛読している月刊誌「致知」のイベントに参加するため、ホテルニューオータニ東京へとでかけた。
この日行われたのは「第2回社内木鶏全国大会」。「致知」を題材とした社内勉強会(=社内木鶏会)を開催し、それが社風へも好影響を与えている5社に集まってもらい、それぞれの事例を聴くという会だ。発表企業の社員の方もあわせて、なんと1,200名以上が集まる盛大なもので、初参加だった僕はその勢いと熱さに圧倒されっぱなしだった。
(登壇されたみなさんの素敵な笑顔写真付きレポートなので、ぜひご一読を!)
僕がこの大会で胸に響いた言葉が2つある。「美点凝視」(びてんぎょうし)と「代受苦者」(だいじゅくしゃ)だ。
美点凝視
社内木鶏会は、「致知」の記事を3つ選んでみなで読み、感想文を持ち寄る形で行われる。勉強会当日は、4〜5人のグループに分かれて感想を伝え合うのだが、そのとき意識すべきことがこの「美点凝視」。
小グループによる意見交換会は「美点凝視」・メンバー同士がお互いの素晴らしさに気づき、認めあい、尊敬するという雰囲気をつくっていきます。
読書感想コンクールではないので、感想や意見の優劣を競う場にしてはいけない。同じ記事を読んだ自分も心動かされた箇所があるはずだから、他のメンバの意見を聞きながら、こんな風に考えてみたい。「同じ箇所で感動したのがわかり、共感できる」、「自分とは違ったとらえ方をしていて新たな視点が得られた」「自分が読み飛ばしていた箇所に気づきを感じている感性がすごい」などなど。
耳にする感想の中から、徹底してその人の美点を探していくことは、各社の職場を素晴らしいものにすることに大きく貢献しているように思う*1。
代受苦者
発表企業で登壇された何人かが挙げておられた言葉。致知 2011年7月号での矢崎節夫さん(金子みすゞ記念館)のインタビュー記事にこんな風に紹介されている。
震災2日後、
予定どおり京都で開かれる講演会に向かい、
その足で東山にある
禅林寺・永観堂を訪れました。
そこでお聞きした法主のご法話に
私は深く感ずるものがあったのです。
「仏教の言葉に、
代受苦者(だいじゅくしゃ)
というものがあり、
これは本来
私が受けていたかもしれない痛みや苦しみを、
代わりに受けてくれている人を指します」
この言葉をお聞きした瞬間、
私は大きな衝撃を受けました。
東日本大震災後のいまの日本において、この言葉が胸に響いた方が多かったにちがいない。僕もあらためて心に刻むことができた(ありがたや)。
これら2つの大切な言葉を忘れぬよう、今後の生き方にとりいれていきたい。
*1:僕も自社で毎月社内読書会を開催しており、そこでの感想タイムも同じく美点凝視で実施するようにしています。題材は今のところまだ「致知」ではないのですが…