ヒト感!!

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「負ける戦いしませんか?」「今日、笑うんですか?」

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約1ヶ月ぶりのブログ更新。
にもかかわらず、取り上げるのは2ヶ月前に聴いた講演の内容なのだが、「12月2日以降にどうしても書きたい」*1と思っていた内容だったのでご容赦のほどを…。


* * *


その講演会は10月7日に行われたもので、講師は心理カウンセラーの衛藤信之さん。職場のメンタルヘルスケア研修の一環だったので当初は受動的な受講だったのだが、講話のなかで次々に心に響く言葉を投げかけてもらい、いっぺんにファンになってしまった。


講話のテーマは「聴き方」。特に、「相手の問題を解決に導く聴き方」ということで、僕らがついついやってしまう悪い聴き方との対比をさせながら、聴き方の3つのポイントを教えていただいた。

  1. くりかえす(まず味方になる)
  2. まとめる(エッセンスを確認する)
  3. 心をこめる(相手の感情を聴く/理解する)

このポイントの説明も、実に小気味よいテンポで臨場感あふれる会話例をまじえて実施してもらった。職場でよくある会話であったり、夫婦間の会話で心当たりのあるもの(笑)、子どもとの会話でいかにもありそうなやりとりを題材として、「あ〜、自分もやってるわ…」とも思ったし、それぞれの会話例に対して「こんな風に聴いてみたらどう?」という見本も実演してもらい、とても納得度が高かった*2


ただ、僕の心に強く響いたのはこの本題の話ではなく、後半に紹介された2つの問いだった。以下に記録しておきたい。

負ける戦いしませんか?

1つ目は、ある小学校の先生の話で登場した「負ける戦いしませんか?」というもの。


掃除や整理整頓をしない生徒たちにほとほと手を焼いていた女性が、衛藤さんに相談をする。いくら言っても教室は散らかったまま、用務員さんからも「先生の教室はいつも汚い。どんな指導をしているのか」と注意を受けてしまうありさま。どうすればちゃんと掃除をしてくれるだろうか?


これに対する衛藤さんのアドバイスは「自分が困っていることを伝えて、お願いしてみたら?」というもの。これに対する先生の反応は「生徒に向かって、そんな弱いところなんて見せれません!」だった。


これを受けて衛藤さんが伝えたのが

「幸せになりたいの?勝ちたいの?」

という問いだった。


他人のケースだと「そりゃそうだよな」と笑って聞けるが、このケースは職場でも夫婦間でもありがちだと感じた。上司・先輩・夫・父親・長男…、僕らはいろんな立場や役割をもっているがために、弱みを見せてはいけないと考えてしまいがちで言動にもそれが反映されてしまう。そこにこだわりすぎるあまり、解決できるはずの問題をより複雑にこじらせてしまっている気がする。


衛藤さんの主張はさらに一歩進んで

負ける戦いしませんか?

というメッセージとして投げかけられた。


「みながHappyな結果を得るために、短期的には負けたっていいじゃない!」という主張にハッとさせられるとともに、このメッセージは今後折を見てふりかえれるようにしたい。

今日、笑うんですか?

もう一つの問いは、講演後の質疑応答の場で紹介された。


アウシュヴィッツ収容所を生き延びた精神科医・作家のヴィクトール・フランクル氏はこういったのだそうだ。

人生を問うなかれ。
人生があなたに何者かを問いかけている。


これを受けて、衛藤さんが発したのが

今日、笑うんですか?

というメッセージだ。


人生というのは運命的にいい悪いが決まっているものではない。実際は、自分が選んだ態度や言葉の積み重ねが自分の人生をつくっていく。だからこそ今僕らに問われているのは「今日、笑うのか?怒るのか?」という小さな小さな態度の選択なのだと思う。


さらにポイントは、この態度の選択も結果を期待して実施するのではなく、結果がどうであれ自分でそちらを選ぶ、ということ。


いつでもその境地にたつのは聖人君子や仙人のようで遠い気がするけど、やろうとしさえすれば今すぐ誰にでもできることでもある。僕は、その場の勝負に勝つよりも、結果的に自分や自分の関わるすべての人が幸せであってほしいと思う。そんなわけで、試行錯誤しながらも「今日、笑う」という選択を続けていきたい。

参考

上のくだりは、講演当日の衛藤さんのブログにも詳しく紹介されているので、よろしかったら読んでみてください。
http://ameblo.jp/n-etoh/entry-11040879371.html


ヴィクトール・フランクル氏の著作。そういえば、近所の書店にも何冊か平積みされていた気がする…。

それでも人生にイエスと言う

それでも人生にイエスと言う

*1:12月2日に別会場で同じ講演が予定されていたので、しばらく寝かしてました(笑)

*2:「企業では新人教育で「報・連・相」(報告・連絡・相談)を教えるくせに、先輩や上司にその聴き方を訓練していない」という指摘はとても耳に痛くもあった