先日のエントリで書いたように、6月28日は「アドラー心理学を学ぶデー」と題して、
- 岩井俊憲先生講演会「自分と他者を勇気づけるアドラー心理学」
- アルフレッド・アドラー著『性格の心理学』読書会
に参加した。ともに、一般社団法人 人間塾 主催のイベントだ。
(一般発売前の最新刊『マンガでやさしくわかるアドラー心理学』にサインをいただいた!*1)
以下、学びの記録としてレポートを…。
講演会「自分と他者を勇気づけるアドラー心理学」
12時からは、アドラー心理学ひとすじに活動してこられた岩井俊憲先生(ヒューマンギルド代表)による講演会。
タイトルは「自分と他者を勇気づけるアドラー心理学」で、アドラー心理学のエッセンスである「勇気づけ」を、僕のような初学者にも分かりやすく伝えていただいた。となりあった3人でのミニワークを頻繁におこない、そのたびに会場に笑顔と熱気がみなぎっていたように思う。なかでも、ほめると勇気づけるの違いを体感するワークは面白かった。
なお、アドラー心理学をすでに学んでいる人にも響くようにと、普段の講座や講演ではしない話もふんだんに盛り込んでくださった、とのこと。確かに、ご自身のアドラー心理学との出会い、ご家族との関係や日常のやりとり、アドラー心理学ブームのとらえ方 等をお聞きすることで、アドラー心理学を実践することの価値を大いに感じることができた。
ノートにメモした言葉から、心に強く残った箇所を転記すると…。
- しかしちょっと待てよ → 陽中の陰
- 「勇気づけ」とは、困難を克服する活力を与えることであり、テクニックではなく態度である。
- 放てば手に満てり
- 息子さんからのメール(感動!) → 僕自身の父との会話を思い出した
- 尊敬(re-spect) … もう一度、離れて、見る
- 共感…「相手の関心」に関心をもつ。相手の目で見、相手の耳で聞き、相手の心で感じる。
- 信用(credit)と信頼(trust)のちがい … 証と条件
- 毎日が結婚のし直し
- 良い出し・感謝・学んだこと を伝える … 右にいくほど、否定しづらく(=受け入れられやすく)なる。
特に、勇気づけの実践として、相手へ「感謝を伝える」「学んだことを伝える」というのは有効だなと感じた。今週、親しい人と話をするときには、意識して実践中である。
(会場で20冊限定で販売されたこの本、タイトルどおり分かりやすかったです!)
『性格の心理学』読書会(第29回人間塾in東京)
講演会の余韻もさめやらぬなか、15時からは人間塾の読書会。
今回の参加者は 44名で、うち7名が人間塾初参加。5,6人で1つのグループをつくって、課題図書『性格の心理学』について対話を重ねていく。このグループのなかに、岩井先生や小倉塾長も1メンバとして参加するのだから贅沢なひととき!
グループごとの対話は、黒田塾頭が作成されたお題によって進んでいった。
- 「本書で出てきた性格のうち、あなたまたは周りの人にあてはまるものを1つ選び、実例をあげてお話しください」
- 「ご自身がアドラーになったと仮定し、どのようにアドバイスするかをお考え下さい。(できるかぎり引用箇所を挙げて)」
僕のいたグループでは、5人中3人が偶然にも同じ箇所をアドバイス箇所として挙げていた(僕もその一人)。
人間の不安は、個人を共同体に結びつける連帯によってのみ取り除かれうる。自分が他者に属していることを意識している人だけが、不安なしに人生を生きるだろう。(p.95)
グループ内ではさらに「受けるよりも与えることが幸いである」(p.62)の部分を挙げている方もいて、なるほどぉと感じた。この連帯は、自身が共同体に積極的に貢献することによってこそ得られるにちがいない。
読書会は、このあともう1つのお題(相談&アドバイス)をみなで対話したあと、最後に岩井先生の総評で締めくくられた。
ぜひ岩井先生の声で聞いていただきたいのだが、お話のポイントは次の3点。
- 『性格の心理学』は最も離脱率が高い本 → 読みきったこの集団はすごい!
- この本はアドラーの「人間知」あふれたもの → さらに進んで、みなさん自身の人間知を開発してほしい
- 独善的な「良い・悪い」から、共同体にとっての「建設的(useful)・非建設的(useless)」軸へ
この岩井先生の総評(特に3点目のポイント)を聴いて、思い出した課題図書のフレーズがあった。会の最後にグループ内でシェアしたところ、かなり共感を得られたみたい。
人生においては、正しいということは重要ではない。むしろ、自分の問題を前に進め、他の人の問題を促進することに貢献することが重要なのである。(p.42-43)
意見や考えそのものの「良い・悪い」で考えず、自分が関わる共同体にとって1mmでも1cmでも建設的な方向へ進める。そんな貢献ができるように、小さな行動を積み重ねながら、自らの人間知を高めていきたい。
懇親会
読書会のあとは、麹町カフェという、雰囲気のあるお洒落なお店で懇親会。
初参加の方や人間塾in関西のメンバもたくさん集まって、昼間の学びを振り返りつつ、おいしく楽しい時間を過ごせた。
(会の前半、岩井先生の隣でお話させていただく機会も得られ、とても光栄でした!)
この「人間塾」という共同体は、これからも大切にしたいつながりだな、としみじみ実感する時間だった。
お話しできたすべての方に感謝!
人間塾in東京の次回ご案内
人間塾では毎月1回課題図書を設定した読書会を実施している。
次回、東京での開催は 2014年7月26日(土)に、『きけ わだつみのこえ』を課題図書として行われる。
この会にご興味がわいた方は、以下のリンクにて詳細をご確認ください(お申込みもこちらから)
関連エントリ
*1:書いてくださった言葉「寛容」は直感で浮かんだイメージとのこと。ありがたい