前回エントリで紹介した、岩井俊憲先生の『マンガでやさしくわかるアドラー心理学』を読み終えた。
- 作者: 岩井俊憲,星井博文,深森あき
- 出版社/メーカー: 日本能率協会マネジメントセンター
- 発売日: 2014/07/04
- メディア: 単行本
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同書のなかで、「信頼」について腹落ちする定義に出逢ったのでご紹介したい。
それは、「良い人間関係を築く4つのガイドライン」として紹介されている、以下の解説文だ。
(1)尊敬……人それぞれに年齢・性別・職業・役割・趣味などの違いがあるが、人間の尊厳に関しては違いがないことを受け入れ、礼節をもって接する態度
(2)信頼……常に相手の行動の背後にある善意を見つけようとし、根拠を求めず無条件に信じること
(3)協力……目標に向けて仲間と合意できたら、共に問題解決の努力をすること
(4)共感……相手の関心、考え方、感情や置かれている状況などに関心を持つこと
「信頼」と「信用」のちがいとして、「無条件に信じる」か「条件付きで信じる」かというのはよく言われること。
一方で、定義の前半にある「相手の行動の背後にある善意を見つけようとし」という観点は、今まで考えたこともなかった。でも、考えてみると「あぁ、なるほど!」という強い納得感が得られた。
例えば、ある人が厳しい言葉をなげかけたり、つれない素振りを見せたり、やる気のない態度をとったり、予想もできない行動をとったとする。それでも、その人に対する「信頼」を強くもっていれば、落胆したり反発したりする前に、「きっとこの行動の背後には何か意味があるにちがいない」と感じるだろう。本物の「信頼」というのは、軽々しく「裏切られた!!!」と嘆くようなものではなく、岩井先生が同書で書いておられるように決意や忍耐を必要とするものなのだ。
見方を変えれば、「相手の行動の背後にある善意を見つける」ことが、本物の「信頼」を育てるための有効な方法なのではないか。相手が子どもだろうが、年下だろうが、過去に嫌なやりとりをされた人だろうが、まずはその人格を尊敬&尊重する。その上で、背後にきっとあるはずの善意を見つける。
こんな行動をとりつづけることで、まず自分から「信頼」を与える人でありたい。、
そしてそれを積み重ねていけば、いつか本物の信頼が得られる人になるだろう。
「背後にある善意を見つける」ことは、その第一歩に違いない。意識して実践しよう。
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