買ったままずっと本棚にしまいこんでいた本なのに、ふと読んでみたくなるタイミングがある。
本が自分を呼ぶというか、自分が本に引き寄せられるというか。とにかく、そういう導きがあって読んだ本には心に残るフレーズが多い。
『シンクロニシティ』は、僕にとってはそんな本だったようだ。
心に響いた箇所はたくさんあったが、それは今後の記事においておくとして、ここではエピローグで見つけた素敵なフレーズのみ抜書きする。
「雪のひとひらの重さはどれくらいかな」シジュウカラが野バトに聞いた。
「重さなんてないよ」ハトが答えた。(中略)
「ほかにすることもなくて、ぼくは小枝や葉に舞い落ちる雪をひとひらずつ数えた。やがて、降り積もった雪の数は正確に 374万1952 になった。そして 374万1953番目の雪が枝の上に落ちたとき、きみは重さなんてないと言うけど −− 枝が折れた」
そう言うと、シジュウカラはどこへともなく飛んでいった。ノアの時代以来その問題に関してとても詳しいハトは、今の話についてしばらく考えていたが、やがて独りつぶやいた。
「もしかしたら、あともう一人だけ誰かが声をあげれば、世界に平和が訪れるかもしれない」
素晴らしい未来は、あきらめない人の前にのみ現れる、ってことなんだろうな。
- 作者: ジョセフ・ジャウォースキー,金井壽宏,野津智子
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2007/10/02
- メディア: 単行本
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