ずいぶん口にしづらい名前(笑)だけれど、なかなかに深みのある言葉。
会話が盛り上がっているところで、「そろそろお暇いたします」とあなたが言えば、どうなるか。きっと、相手は“物足りなさ”を感じるに違いない。もっとお話をしたいという気持ちが強いからである。だから、あなたが「今度、また来月にゆっくりお話しましょう」と言えば、相手はOKしてくれる。まだまだ話し足りない人は、次回の約束をすんなり受け入れてくれるのだ。
これを心理学では、旧ソ連の心理学者の名前をとって、「ゼイガルニク効果」と呼んでいる。気持ちが高ぶったところで中断されると、そういう感情は記憶に残りやすいのである。
簡単にいえば、人間は「途中でやめられると気になってしょうがない生き物だ」ということ。
こんな風にも書かれている。
ドラマや漫画では、最高潮に盛り上がってきたところで、「お楽しみは次回」ということで、いきなり中断してしまう。なぜそんなことをするかというと、そうやって中断したほうが、視聴者や読者にいつまでも記憶してもらえ、翌週まで興奮や感動を引っ張ることができるからである。
ただ中断すればいい、のではなく、
「盛り上がってきたところで、あえて…」ってところがポイント。
まずは盛り上げを作り出さないとね(笑)。
出典は内藤誼人さんの『「人たらし」のブラック心理術』。
「人たらし」のブラック心理術―初対面で100%好感を持たせる方法
- 作者: 内藤誼人
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2005/09
- メディア: 単行本
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「人たらし」というと悪い印象があるが、本書表紙に書かれた英語タイトルは "BLACK PSYCHOLOGY OF MAGNETIC MEN"。magnetic って意味を考えると、味わい深い。
ほかにも実用的な心理学アイデアがいっぱいあり、オススメの一冊!
追記
日本語では「ツァイガルニク効果」という呼び方もあるらしい。
ツァイガルニク効果(ツァイガルニクこうか、Zeigarnik effect)とは、人は達成できなかった事柄や中断している事柄のほうを、達成できた事柄よりもよく覚えているという現象
関連エントリ
(心理学を学びだした頃に知った「ピグマリオン効果」。実体験に照らしてみても、なるほど納得な考え方)