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学習高原(プラトー)を乗りきる秘訣/『達人のサイエンス』に教わったこと

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昨日、ICHIROYA和田さんのブログで「成長曲線」についてのエントリを読んだ。

成長曲線と学習高原(プラトー)

読みながら思い出したのが、6年前に勤め先の新入社員 約80人の前で話をしたときのこと。

職場に配属されて4ヶ月たった彼らをフォローアップするため、毎年10月に開催していたその研修では、若手先輩社員たちが体験談を話してくれることになっていた。人事部にいた僕はその前座役で、“成長に関する2つのキーワード”の 1つとして、まず「成長曲線」を紹介した。

少しずつ仕事の中身が見えてくる時期。できることが増えてきた実感をもっていた人には、頷きながら聞いてもらえていたように思う。


一方、教わっている仕事がなかなか身につかず、自身の成長を感じられない人も少なからずいるのがこの時期だ。そんな彼らに向けて、もう1つのキーワード「学習高原(プラトー)」も紹介した。


この 2つのキーワードとともに、「成長は諦めない人に訪れる」という話をしたのだが、さて、思いは届いていたのだろうか…。

『達人のサイエンス』に教わったこと

この2つのキーワード、特に学習高原(プラトー)という言葉を知ったのは、『達人のサイエンス』という本がきっかけだ。


マスタリー(達人の境地)への道を目指す人にとって、必ず訪れる停滞期。これについて、テニスの練習を例にした解説文の最後で、次のように説明されている。

 ほとんど上達せずに何日も何週も過ぎていく。
 あなたは今、あのいまわしい「プラトー」(学習高原。学習が伸び悩んでいる時期で、学習曲線が水平になっている状態)にいるのだ。(p.14)


そして登場するのが、「マスタリーの学習曲線」と題した冒頭の図

解説はこうだ。

 学んだ内容とその過程にはいつも驚かされるだろうが、このマスタリーへと向かう成長曲線は、つねに図1のような特徴的なリズムを持っているのだ。(略)

 初めての技能を学習する場合はいつでも、短期間の上達のスパートがあり、その直後はだいたい直前のプラトーより少し高めのプラトーに向かってゆっくりと下降する。(略)

 マスタリーの旅をするには、自己の技能を磨き上げ、次の段階の能力を得ようと勤勉に練習しなければならない。そしてかなりの時間をプラトーで過ごし、そのあいだはたとえ先が見えなくても、練習を続けなくてはならない。これはマスタリーの旅の厳粛な事実なのだ。(p.21)


要は、「いつまで続くか分からない停滞感」とうまく付き合っていく必要がある、ということ。

そして、その秘訣は簡単に言うとこうなるのだろう。

 プラトーにいる時もそれを不満に思うことなく、スパートが起きた時と同様に、プラトーにいることに感謝して、その状態をエンジョイするのを学ぶことだ。(p.23-24)


偉そうに書いている僕自身、時間管理やランニングなど習慣化したいと思いつつも道半ばなものをたくさん抱えている存在だ。

くさらず、嘆かず、落ち込まず。
感謝&エンジョイしていきたい。

過去の関連エントリ

2004年に本書を初めて読んだ時の感想メモ。(旧ブログのエントリ)

(「自分はダブラー型だ」という分析もある。たしかに)


そういえば、このネタを2回目にプレゼンする際に、プレゼンテーションZenスタイルで実施したのだった。そのときのメイキング風エントリがこちら。
話題の『プレゼンテーションZen』、実践してみた(iStockphoto もイイ感じ) - ヒト感!!


hirocsakai.hateblo.jp
(2007年に『達人のサイエンス』を読んだ時の感想メモ)

関連リンク

以下、検索して見つけた書評やプラトーの解説文です。


達人のサイエンス―真の自己成長のために/書評 | SEM-LABO
(認識システム&努力システムが、習慣システムに働きかけるという解説の引用あり)


プラトー現象 (Plateau effect) : NED-WLT


http://d.hatena.ne.jp/wander1985/20100901/1283325780http://d.hatena.ne.jp/wander1985/20100901/1283325780