新年最初の一冊は何にしよう…、と考えて本棚に手を伸ばし、未読本のなかから植松努さんの『空想教室』を選んだ。
以前観たTEDxの動画が気になっていたのと、年末に友人におすすめされたのがきっかけ。
結果的に、とても素晴らしい読書体験になった。
『好奇心を“天職"に変える 空想教室』
- 作者:植松 努
- 発売日: 2015/10/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
本書の冒頭、イラストに添えてロケットづくりにたいする植松さんの思いが数ページにわたって書かれている。本編に入る直前のページはこうだ。
この小さな自信が、
これからの日本にどうしても必要なのです。
今回、TEDxでの講演をイメージして読み進めていったのだが、「思うは招く」などのキーフレーズはやはりそのまま語られており安心すると同時に、18分の講演に収められた言葉以上に、植松さんの考えが率直に、ときに、厳しさ・強さをもって伝わってくるように感じた。
なかでも僕が一番ひびいたのはこちらのフレーズ。
人は誰でも「足りない」んです。足りないからこそ好きなことを伸ばそうとします。
この話は個人だけでなく、企業に向けてもなげかけられる。
ぼくは今いろんな企業と一緒に仕事をしています。その中で気がついたことがあります。それは企業同士が「自分の得意なこと」を持ち寄ったときは、全然うまくいかないということです。
ところが企業が「自分のできないこと」を持ち寄ったら、うまくいくことが多いのです。
だから「人に弱みを見せる」というのは必要なことなのかもしれません。「人を頼る」というのは、もっと必要なことかもしれません。
「自分の足りないところ」が、人間関係を作る上で一番大切なものなのです。
シーズを持ち寄って「何か一緒にできないか」を話してもうまくいかないけど、ニーズにむけた「できないこと」を持ち寄ると、実は助け合える、と。なんとも新鮮な気分になった。
これは企業だけでなく、個人でも同じだと思う。
昨年末にこんな記事を投稿したのだが・・・
もっと見せていきながら、同時に「自分の得意なこと」で貢献していくような一年にしたい。
本書を読み終えて、そんなふうに考えた。
植松努さん関連リンク
TEDxSapporoの講演動画はこちらから。
tedxsapporo.com
「どーせ無理」という言葉を、「だったらこうしてみたら」に変えていこう!という提言。強く共感します。
追記
植松さんは、facebook や はてなブログ上でも記事を書いておられます。
本書への熱い思いが語られている記事、とっても素敵です。(一人でも多くの人に届くことを祈って、ささやかながら応援しております)