9月29日、月一の学びの場 小倉広「人間塾」in東京 に参加し、『二宮翁夜話』を課題図書として、二宮尊徳氏の教えを学んだ。

- 作者: 二宮尊徳,小林惟史,児玉幸多
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2012/03/09
- メディア: 単行本
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二宮尊徳(二宮金治郎)というと、小学校にあった「薪を背負って本を読む銅像」が有名だが、実際の尊徳氏は大飢饉が頻発していた江戸時代に生き、600を越える農村を救済・復興させた実務家なのだそう。
課題図書の『二宮翁夜話』は、そんな尊徳氏の教えを37歳年下の弟子・福住正兄氏が丹念に記録した語録集。
現代語訳を行った児玉幸多氏によれば、その教えは「仕法」と呼ばれ、報徳・勤労・分度・推譲の4つの徳目が柱となっている。
- 報徳…生活の信条。天地人三才の恩徳への恩返しに働くという人生観。
- 勤労…天地人から受け取る恩徳が無限であるために、力のかぎり働いて返そうという情熱。
- 分度…実力に応じた生活の限度。資産に応じた消費生活。生活の分を守る計画的な消費。
- 推譲…分度して余剰が出たらその多少にかかわらず他に譲ること。
事前の読み込み、当日のディスカッションを通じて、僕が一番強く印象に残ったのが「推譲」である。
p.82 には「推譲論」と題した次のような言葉がある。
譲は人道だ。今日の物を明日に譲り、今年の物を来年に譲る道を勤めない者は人にして人ではない。十銭取って十銭使い、二十銭取って二十銭使い、宵越しの金を持たないというのは鳥獣の道で、人道ではない。(p.82)
来年に譲り、子孫に譲ることは比較的できやすいと尊徳氏は説く。これは言ってみれば「自分のための譲」だからである。
そして、さらなる「上の譲」の存在を説くのだ。
これより上の譲とは何か。親類・朋友のために譲るのだ。郷里のために譲るのだ。もっとできがたいのは国家のために譲ることだ。この譲もつまるところは、わが富貴を維持するためであるが、眼前に他に譲るからできがたいのだ。家に財産のある者はつとめて家法を定めて推譲を行え。(p.83)
これまでの自分の生き方を振り返ってみると、「推譲」は明らかに不足している行動だと思う。
人生折り返し地点を迎えた今、推譲の実践を自分の人生に少しずつでも組み込んでいきたい。
応援:HEROプロジェクト
この日の人間塾の最後に、塾生仲間の橋本博司さんが取り組んでいる「カンボジアの学校のない地域に、無料で通える小学校を〜HEROプロジェクト〜」の紹介があった。
第1回の人間塾でご本人のプレゼンを聴いて強烈なインパクトを受けたのを覚えている。今回、橋本さんが想いを語る動画(「東京の社長TV」インタビュー)を観て、あらためて素晴らしい活動であると感じた。ささやかながら応援していきたい。