ヒト感!!

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「眠っている魂をゆり動かし、これを呼び醒ます」 〜『修身教授録』より

先日参加した読書会 人間塾in東京で、森信三さんの『修身教授録』を読んだ。

森信三先生の『修身教授録』


第1回読書会でも課題図書としてとりあげられていた本書が、5年後の今回(第60回)の課題図書となり、ひさびさにじっくり読むきっかけになった。

今回読んでいちばん響いたのは「第34講 国民教育の眼目」に登場する次のフレーズ。

真の教育というものは、単に教科書を型通りに授けるだけにとどまらないで、すすんで相手の眠っている魂をゆり動かし、これを呼び醒ますところまで行かねばならぬのです。


口でいうのは簡単だけれど、
「眠っている魂をゆり動かし、これを呼び醒ます」
を実践するのは生半可なことではない。


教師だから、上司だから、親だから…
そんな「立場」だけでは到底ムリなことで、その人の本気度が試されてしまう。


信三先生は、上の言葉に続けてこんな風に語っている。

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【御礼&報告】読書会「よみかい in 未来食堂」ができるまで。そして「ほしい未来」へ。

偶然が偶然を呼び、思ってもみなかった結果を引き起こす。
この1ヶ月で、そんな貴重な体験をすることができた。
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満員御礼! 読書会「よみかいin未来食堂」

12月17日開催の「よみかい in 未来食堂」は、おかげさまで【壱】【弐】の両読書会とも当初定員(12名)を超える会となった。

  • 【壱】『ただめしを­食べさせる食堂が今日も黒字の理由』読書­会
  • 【弐】「コミュマネ本­」プレゼン&プレゼント大会

まずは、参加していただいた20名の方々(うち8名が壱&弐にフル参加)、長時間にわたって会場を貸切提供してくださった未来食堂 店主 小林せかいさんへ御礼を申し上げたい。本当にありがとうございました!

企画メンバによるイベント開催レポート

イベント模様については、一緒に企画した仲間が詳細なレポートを書いてくれたので、まずはそちらをご覧あれ!

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【よみかい in 未来食堂】語りたいのは ただめし本? コミュマネ本?

先日、嬉しい知らせが届いた。

未来食堂 店主・小林せかいさんが、日経WOMAN ウーマン・オブ・ザ・イヤー〈食ビジネス革新賞〉を受賞したのだ。


オンライン読書会で『未来食堂ができるまで』をとりあげたご縁で、お店にも3回ほど足を運び、オンラインでも何度もやりとりさせてもらっていただけにとても嬉しい。

なお、受賞式でのせかいさんのスピーチが全文公開されている。驕らず、謙虚で、力強い! 男女を問わず「何かを始めたい」と考えている全ての人におすすめ(特に最後の一文にはしびれます)。未読の方はぜひ!


そんな、今話題の未来食堂を貸切りさせてもらい、12月17日(土)に読書会を開催することになった。
題して「よみかい in 未来食堂」*1

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(小林せかいさんの新刊。イラストは未来食堂での購入特典!)

読書会「よみかい in 未来食堂」

今回の読書会「よみかい in 未来食堂」は、2部構成で実施する。
CMC読書会こすぎナイトキャンパスの共催でお届け)

  • 【壱】『ただめしを­食べさせる食堂が今日も黒字の理由』読書­会
  • 【弐】「コミュニテ­ィ運営本」プレゼン&プレゼント大会

名前が長いので、「ただめし本」と「コミュマネ本」の読書会だと呼んでもらえばOK(笑)。

それぞれの概要は以下のとおりなので、「面白そう!」と思った方はリンク先(meetup)からご登録を。

「ただめし本」読書会

*1:未来食堂の「あつらえ」「まかない」「ただめし」「さしいれ」にあやかった、ひらがな4文字の企画名です

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『未来食堂ができるまで』読了メモ:「コミュニティ作りをしない」からこそ惹きつけられる場所

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あなたの“ふつう”をあつらえます

このフレーズをコンセプトに掲げているのが、東京・神保町にある未来食堂。本ブログを読んでいるあなたなら、耳にしたことがあるんじゃないだろうか。

miraishokudo.com

店主・小林せかいさんが理学部数学科卒のエンジニアだった(日本IBMとクックパッドで6年間勤務)という経歴面や、「あつらえ」「まかない」「ただめし」などのユニークな仕組み面、あるいは、ほぼ一人で運営しているのにランチ4回転以上(MAX 7回転?)の高効率オペレーション面などなど、いろんな切り口でメディアに多数登場している。

2015年9月に開店してから気になっていたのだが、先日ようやく食事をしに行くことができた。

実際に体験してみると、聞きしに勝る効率的オペレーションと、おいしい食事(この日は黒豆入り炊き込みご飯&サバ味噌定食)とお茶菓子、なつかしい感じのお椀・お皿・調度品・小物など、僕はもちろん一緒に行った妻も大満足! 店主せかいさんとも少しお話ができた。手が空いたときには厨房内でも読書をし、凛とした雰囲気を漂わせるせかいさんだが、本書の話題になるとにこやかに笑ってくれた。

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(未来食堂前の看板と100円割引券)


そんなせかいさんの初の著書『未来食堂ができるまで』が今年9月に出版された。これがまたとても面白い。

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「コミットメントと一貫性」の功罪 〜『影響力の武器』でハッとしたこと

真っ青な表紙とインパクトある文字のこの本、
書店やWebサイトで目にした人も多いのでは?
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タイトルは以前から目にしつつ、なかなか食指がのびなかったこの『影響力の武器』。古典的な香りもするが、原書初版は 1985年なので実はまだ30年前のものだ。


「まえがき」には、だまされやすい人間だった著者チャルディーニ氏が、「承諾の研究」のために各所にスパイ潜入(参与観察!?)して6つの”武器”を導き出した、とのくだりがある。ここを読んで俄然興味がわいてきた。

僕自身、人から影響を受けやすいので、まえがきの内容を知っていればもっと早く本書を読んでいたに違いない(笑)。

『影響力の武器 [第三版]』

初版発行から何度か改版され、続編もでているこの本。僕が読んだのは、2014年7月に発行された第三版(元本は、2008年発行の原書 第5版)。

影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか

影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか

6つの原理

本書で紹介されているのは、人間の行動をつかさどる基本的な心理学の原理、すなわち、次の6つの「影響力の武器」だ。

  • 返報性
  • コミットメントと一貫性
  • 社会的証明
  • 好意
  • 権威
  • 希少性


それぞれの項目は、他の心理学の本でも解説されているもので、それほど目新しくはない。とはいえ、これを「カチッ・サー」という言葉で、「規則的で盲目的な、機械的な行動パターン」として警鐘を鳴らしているのが本書の価値だと思う。

文中には、販売や勧誘、説得の現場でのやりとりの実例が載っていて、「あ〜、確かに!」と頷ける記述がたくさんあった。


そんな6つの原理のなかで、僕が一番ハッとさせられたのは「コミットメントと一貫性」のパート。
というわけで、以下ではこの項目を中心に書いていきたい。

「コミットメントと一貫性」の功罪

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