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『君たちはどう生きるか』の“叔父さん”が語った、ドキッとする言葉たち

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一度は読んだはずなのに、再読すると見事に忘れていて、新鮮な感動に身震いする。


吉野源三郎さんの『君たちはどう生きるか』は、そんな読書体験が得られた本だった。

『君たちはどう生きるか』

ストーリーを乱暴にまとめると、主人公 コペル君(愛称。本名は本田潤一くん)が、級友たちとのやりとりや、叔父さんとの対話を通じて、精神的に成長していく話である。(あらすじ、まとめすぎ?)


ともあれ、コペル君はこの物語のなかでいろんな体験をする。その描写を読んでいる僕に、その映像がありありと思い浮かぶシーンがいくつかあった。

  • 百貨店の屋上から見える人間の小ささと、その誰にも人生や生活があることに気づくシーン
  • 友人 浦川君を見舞うため、普段いかない町並みをコペル君が観察しながら歩くシーン
  • ニュートンの発見の意義を叔父さんが解説するシーン。林檎を地上 3メートル、10メートル、100メートル…、月の高さまで持ち上げたら?
  • 大雪が降った日のグラウンド、騒動のさなかでコペル君が自分の弱さに直面するシーン
  • うつうつとした後悔のなか寝込んでしまったコペル君に、叔父さんが強く訴えかけるシーン
  • コペル君が初めてノートに万年筆を走らせて、自分の考えを書き綴るシーン


叔父さんは、直接的にもコペル君に話しかけるのだけど、その考えや伝えたいことをノートにも書き溜めていく。読者の僕らは、コペル君より一足先に、その「おじさんのNote」を読む。(物語の終盤で、このノートはコペル君にも渡り、彼も熟読することになるのだが)

投げかけられる、叔父さんの言葉

そんな叔父さんの言葉の中には、40歳を過ぎた僕もハっとさせられるものが多くあった。
以下、特にドキッとしたものを抜き書きすると…。

人間の立派さがどこにあるか、それを本当に君の魂で知ることだ

英雄的な気魄を欠いた善良さも、同じように空しいことが多い

正しい道にしたがって歩いてゆく力があるから、こんな苦しみもなめるのだ


叔父さんの最初のノートに「立派な人間」とあり、最終章でコペル君が書き始めたノートにも「いい人間」という言葉が出てくる。これは、モラルを守る、という狭い意味ではなく、もっと高い基準のことだろう。


本の中で、コペル君は明らかに変わっていった。特に、最後のノートには凛とした覚悟のようなものまで感じられる。

そんな成長を描きながら、最後の最後に 著者・吉野さんが読者に向けて投げかけてくるのが次のフレーズ。

コペル君は、こういう考えで生きてゆくようになりました。そして長い長いお話も、ひとまずこれで終わりです。
そこで、最後に、みなさんにおたずねしたいと思います。──
君たちは、どう生きるか


「君はどう生きるのか」だと、特定個人を対象にした優しい質問に感じるが、
君たちはどう生きるか」という表現は、もっと広い範囲に対する、真摯な問いに感じる。


学校生活や進路に悩む十代から、仕事中心の40~50代まで。
書籍タイトルへ「ん?」と引っ掛かりを感じた人にオススメしたい、そして感想を聞きたい一冊。

追記

読書感想文の課題本として、『君たちはどう生きるか』を含めて5冊を紹介したエントリです。