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「1973年に手袋の入った箱を紛失したから」

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職場で借りた『キヤノン式「稼ぐ社員」の仕事術』を読んでいる。借り物なのでキレイに読んでいるのだが、書き込みたくなる気持ちを抑えてページをめくるのはなかなか大変!


さて、この本の「第3章 ムダを具体的につぶしていく」でGEのケースが紹介されていた。このケース、ちょっとムムムだったのでメモっておく。

ケース2は、機械の操作に必要な手袋の交換についてだ。
手袋は一ヶ月に何度も使いものにならなくなる。手袋を取り替えるために交代のオペレーターを頼む必要がある。新品の手袋がないときは、マシンを停止した。そしてかなり離れた別の建物に歩いていって、備品室に入り、申し込み用紙に書き込む。(長いので略)そこで初めて、新品の手袋一組を手にする。1時間もムダにすることなど、しょっちゅうだ。
「どうしてそんなことをするのか」というゼネラル・マネジャーの問いに、「1973年に手袋の入った箱を紛失したからだ」と答えが返ってきた。(p.89-90)

なんだか笑い話のようだけれど、実際こういうケースは多い。ミスを防ぐためのルールでがんじがらめになり、中間層が自らの責任で決定しなくなっているのだ。


未然にミスを防ぐのは大切なこと。ただ、そのために手続き過剰になると、非効率になるだけでなく従業員のモチベーションも下がり、創造が生まれなくなる*1


イノベーションを生むための適切なバランスは、やや性善説に寄っているんじゃないかな。

キヤノン式「稼ぐ社員」の仕事術―自分が「高収益体質」に変わる43のヒント (成美文庫)

キヤノン式「稼ぐ社員」の仕事術―自分が「高収益体質」に変わる43のヒント (成美文庫)

関連ページ

修士論文でこのケースをとりあげている方がいたのでリンク。

本論文は、達成欲求を持つ従業員が組織の中でフラストレーションを抱いた場合の解決方法に関する研究である。本研究では、以下の研究目的を達成しようと試みた。

本研究では、すべてのフラストレーションについてニュートラルな存在として捉え、欲求充足活動の進行の停滞・中絶あるいは不能によって欲求充足の未完了から攻撃を喚起するという情動のネガティブな側面ばかりを指摘するのではなく、充足の本来の動因をさらに高める加重動因として作用し、達成欲求にフィードバックさせるようにコントロールできるものとして考える。フラストレーションの中から欲求充足活動の妨害を取り除くことで、人は欠乏動機としてそれを満たそうと動機づけられ(A.マズロー 1943)、この刺激により意欲が喚起される(田尾 1991)ことを示していく。また、フラストレーション状況から基本的情動を経験し、「喜び」や「予期」が熱中や探索という加重動因になること(プルチク 1986)を示していく。

ん〜、むずかしい…。

*1:創造には失敗がつきものなのだから