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【こぼれ話的メモ】THE SALON『ネットコミュニティの設計と力』リアル講座に参加しました

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8月に発売された『ネットコミュニティの設計と力』が面白く、何度も読み返している。


このブログでもこれまで2回とりあげており、現在はfacebook上でのオンライン読書会も実施中だ。


先週、近藤淳也さん(本書監修。序章&6章執筆)と古川健介さん(3章執筆)の対談イベントがあると聞き、喜び勇んで参加した。
http://kci-salon12.peatix.com/
ニコニコ動画で生中継もされていた*1が、あまりブログ等で話題になっていないみたい。「角川インターネット講座」サイトでも動画公開される予定)



本の内容から派生した話もいろいろと聞けたので、備忘の意味も込めてメモを投稿しておきたい。
→ちゃんとしたレポートは、ASCII.jpの記事をどうぞ(笑)

★ちなみに、本書を題材としたリアル読書会を、11月10日に東京・渋谷で開催予定なので、気になる方は本エントリ後半をご覧ください。

THE SALON『ネットコミュニティの設計と力』

というわけで、先週10月14日に開かれたイベント「THE SALON」の内容がこちら。

  • 【テーマ】「ネットコミュニティの設計と力 つながる私たちの時代」
  • 【対 談】近藤 淳也 氏 (角川インターネット講座 第5巻『ネットコミュニティの設計と力 つながる私たちの時代』監修者。株式会社はてな代表取締役会長)
  • 【ゲスト】古川 健介 氏(株式会社nanapi代表取締役社長)
  • 総合司会:遠藤 諭(株式会社角川アスキー総合研究所)



以下は、近藤さん、古川さん、遠藤さんの対話のなかで、「おぉ!」と気になった発言をピックアップしたもの。

ネットコミュニティ20年史

20分ほど遅れて到着したら、Niftyフォーラム、個人ホームページ、日記の話が始まっていた。

形を与えすぎるとよくない

セカンドライフについて。
サービスとしての可能性は大きかったものの、サービス提供者側があまりにも形を与えすぎたのではないか、との指摘には納得感があった。

不可逆的なこと

近藤さんが2000年代中盤以降に気になっていたこと。

「自分の日記を公開で書いたらどうなるのか」という欲求は、一度実行するともとに戻せないものだったが、Web日記やブログで実行する人が増えていった。
同じように「自分の人間関係を全てネットにあげたらどうなるのか」は、SNS で多くの人が実験してこれもまた定着した。
これらはともに、人間の根源的な欲求にマッチするもので、今後も残っていくにちがいない、と。

流速は認証になる

twitter は、publicな発言とprivateな発言を同じ場でやりとりする、新しいものだった、という話。

どんどん発言することでタイムラインが流れていき、これが認証っぽいものになる、という感覚が面白かった。「時間的な速さで壁をつくる」は名言。

ネットコミュニティサービスをつくる

設計によって人の距離を縮める

はてなハイクは、「ほめるしかできない」仕組みにした。ここで、はてなスターの仕組みも生まれたみたい。結果、はてなの中では女性比率の高いサービスになり、ネットで出逢って結婚にいたるカップルが何組もいた、と。

設計によって人の距離を縮めることができた、と語る近藤さんの笑顔がとても印象に残った。

ハイコンテキストな場では情報は小さく

LINEやツイキャスなど、openな場では話していなかった人がclosedな場で話すようになった。学校の友人など身近な仲間で文脈が共有されているので、2文字から5文字程度のやりとりで会話が成立する。やりとりされるのは小さな情報であり、有益なやりとりよりも関係性を確認するコミュニケーション(グルーミング)が重視される、と。

過去の会話への参加

インターネット以前のメディアにはコミュニティという場はなかなか育たなかった。インターネット上になって初めて「この場所にいけば過去の会話に参加できる」という場が生まれた、という指摘にはうならされた。

立ち上げ期には「書き手」を集める

これは書籍でも書かれていたことだが、けんすうさんが力説されていた。ユーザ投稿型のコミュニティ的サービスでは「備忘録が気持ちよく書ける」というのが何よりの価値で、クックパッドや食べログも当初はそこに注力していた、ということ。このおかげで人があつまり、投稿が増える、という好循環に。

CGMは検索と結びついてこそ

ネットコミュニティが儲かるようになってきたのは、検索と結びついて自然流入が増えてきたから。アプリでは流入に限界がある。なので、アプリでやっていたコミュニティもじょじょにWebにコンテンツを出すようになってきた、と。

建ててから毎日住んで感じる

サービス設計においては100%のものを目指さない。家に例えれば、まず建ててみて毎日住んでみると、住み心地やじゃまな柱の存在が見えてくる。それを感じるのが大事。

うまくいくコミュニティとは

純粋な動機が共感を呼ぶ

「人のために何かしたい」という気持ちでつくったものが、結果的にうまくいく。
利用者の人たちが、「このサービスがやろうとしている未来を一緒に見てみたい」という共感をもってくれることが大切。

「やたら、そっちに行きたい人」の存在

コミュニティが生まれる瞬間は、ネットにかぎらず「やたら、そっちに行きたい人」がいることなのではないか、という話が面白かった。本書のなかにも書かれていた登山での分かれ道の話。楽しそうに「こっちに行こう!」という人を中心にコミュニティができあがる。
これは、たしかにそうだな、と思えた。

質疑応答

コミュニティマネージャーに必要なもの

さいごに「コミュニティマネージャーに必要なものは?」と質問をしてみたところ、後天的なスキルというよりも素質や素養じゃないか、という回答が…。
あえていえば、「コミュニティにどっぶりつかれる」と「客観的に引いて見れる」を両立できること、という話がきけたのが収穫でした。


ありがとうございました。

『ネットコミュニティの設計と力』読書会

リアル読書会は 11月に開催予定

東京・渋谷で 11月10日(火) 19:30から実施します(定員 30名)。

今回は本Meetupでは、今年の8月末に出版されたオンラインコミュニティに関する書籍『ネットコミュニティの設計と力』(角川学芸出版)をきっかけとしたディスカッションと題したリアル読書会を実施します!

既に読了して感想を共有したい方、まだ読んでないけれど気になる方など含め、是非ご参加頂ければ幸いです。

詳細やお申し込みは、「東京コミュニティマネージャーMeetup」にて。
www.meetup.com


オンライン読書会は10月末まで実施中

こちらは現在開催中の情報。

【CMC読書会】は、課題図書として選んだ“コミュニティ運営に役立つ本”を、じっくり1ヶ月かけて意見交換するオンライン読書会です。

■第7回(2015年10月)の課題図書■
 『ネットコミュニティの設計と力』(監修:近藤淳也さん)

意見交換のやりとりは facebookグループ上で実施しており、ここ数日は「第4章 サル学から考える人間のコミュニティの未来」で盛り上がってます。


参加の申し込みは以下のリンクからどうぞ。
【CMC読書会】~コミュニティ運営のヒントを本から学ぼう!~
 https://www.facebook.com/groups/CMCbookclub/


多くの方と意見交換ができるのを楽しみにしています。お気軽にどうぞ!

関連エントリ

*1:ニコニコ動画のプレミアム会員であれば、こちらでタイムシフト試聴が参照可能とのこと