「だれでもリーダーになれる。」
これは書籍『感動をつくる』の表紙裏に書かれている言葉だが、日本語の「リーダーになる」という語感からいうと、本書のコア・メッセージとしてはちょっとずれている印象を受けた。
僕には、次のフレーズの方がこの本の主張としてピンとくる。
「だれでもリーダーシップを発揮できる。」
- 作者: リー・コッカーレル,月沢李歌子
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2008/11/29
- メディア: 単行本
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1章には、次のように書かれている。
リーダーシップとは役割以上のもの、つまり責任感なのである。大きな責任感だ。リーダーであるということは、やるべきことを、やるべきときに、やるべき方法で、自分が好むと好まざるとにかかわらず、部下が好むと好まざるとにかかわらず、やることである。つまり、ほかの人たちの最良の面を引き出しながら、正しいことをなすことなのだ。(p.15)
そう。リーダーとは役職ではなく、リーダーシップを発揮するすべての人のことを言うのだ。
現在、とある企業で教育・育成にかかわる身として、あるいは、いまの自分をより高めたいと感じている自分にとっては、この本はとても大切なことがたくさん書かれていると感じた。このあと、何回かに分けて記事にしてみたい。
目次+節タイトル
目次が超シンプルなので本屋で手に取ったときには気づかないのだけれど、節タイトルに秀逸なフレーズがたくさんあるため、以下に抜き出してみた。
- 1章 魔法をつくる
- 2章 農場からの魔法の王国への旅
- 3章 法則1・だれもが大切
- 真の包容力
- 1.一人ひとりが重要であり、それを一人ひとりに知ってもらう
- 2.チームを知る
- 3.チームにあなたを知ってもらう
- 4.心をこめて挨拶をする
- 5.チームの一人ひとりに接する
- 6.必要とされるときにその場にいる
- 7.聞いて理解する
- 8.明確に、直接的に、誠実に意思を伝える
- 9.疎外感を抱かせないようにする
- 10.命令系統を忘れる
- 11.細かいことまで管理しない
- 12.文化をデザインする
- 13.お客様を大切にするのと同じように部下を大切にする
- 4章 法則2・型を破る
- ディズニー・ワールドをふたたびイマジニングする
- 1.一人ひとりの責務を明確にする
- 2.責任と権限は切り離して考えない
- 3.どの仕事も大切
- 4.できるだけフラットにする
- 5.過労を避ける
- 6.会議の構造を見直そう
- 7.だれもが変化のための責務を担うことができる
- 8.リスクを負う
- 9.抵抗を予期する
- 10.すべての闘いに勝とうとするな
- 11.改革に終わりはない
- 5章 法則3・社員をブランドにする
- 1.どんな人材を求めているかはっきりさせる
- 専門的な能力
- 管理能力
- 技術能力
- リーダーシップ能力
- 2.複製に甘んじない
- 3.意外な場所ですぐれた人材を求める
- 4.選考の過程にチームのメンバーを加える
- 5.経歴書ではなく、才能で選ぶ
- 6.合う人を見つけよう
- 7.あなたよりも賢く、有能な人を選ぶ
- 8.業務は正確に説明する
- 9.候補者を個人的にチェックする
- 10.質問をして情報を得よう
- 11.可能であれば構造化した面接を行う
- 12.候補者にとって大切なことはなにかを知る
- 13.可能であれば、候補者に得意なものを披露してもらう
- 14.もっともすぐれた人を選ぼう
- 15.育て、昇進させることができる人を採用する
- 16.仕事ぶりを定期的に評価する
- 17.仕事が合わないときはそれを認める
- 18.すぐに、やさしく解雇する
- 19.失う人との関係は失わない
- 1.どんな人材を求めているかはっきりさせる
- 6章 法則4・研修をとおして魔法をつくる
- 1.仕事だけではなく、目的を与えよう
- 2.教師としての役割を真剣にとらえる
- 3.コーチになる(COACH)
- 気にかける(Care)
- 観察する(Observe)
- 行動する(Act)
- 意思疎通を図る(Communicate)
- 力になる(Help)
- 4.手本を見せて教える
- 5.すぐれたサービスの原則を教える
- 目を見て笑いかける
- ゲスト一人ひとりに挨拶し、歓迎の意を示す
- ゲストと接する
- サービスを迅速に回復する
- つねに適切なボディランゲージを示す
- 魔法のようにすばらしいゲスト経験を保つ
- ゲスト一人ひとりに感謝する
- 6.マジカル・モーメントとテイク・ファイブのためのトレーニングを提供する
- 7.いつ、どこで時間を使うべきかを教える
- 8.つねにコミュニケーションをとる
- 週刊新聞
- 勤務前ミーティング
- 掲示板
- ワン・オン・ワン
- 9.フィードバックをすぐに効率的に行う
- 10.不測の事態に備える
- 7章 法則5・問題を削除する
- 1.だれかではなく、なにかを考える
- 2.お客様の声を聞く
- 3.なにがうまくいき、なにがうまくいかないかを経験から学ぶ
- 4.つねに従業員に訊く
- 5.従業員のアイデアを採用する
- 6.相互監査プランを試してみる
- 7.最新の技術を取り入れる
- 8.先を考える
- 9.自分自身の手順を見直そう
- 10.抵抗を予期する
- 11.プロセスの変更を定期的に評価する
- 8章 法則6・真実を学ぶ
- 1.定期的に現場を偵察する
- 2.グラウンドレベルから見る
- 3.部下と直接、定期的に会う
- ピープル
- プロセス
- プロジェクト
- プロフィット
- 4.小さなグループを集める
- 5.不安にさせない
- 6.話の全体像を探る
- 7.難しい質問に答える
- 8.あなた自身について正式なフィードバックを受け取る
- 9.支出をつねに検証する
- 9章 法則7・無料の燃料を燃やす
- 1.従業員と有意義な時間をともに過ごす
- 2.従業員の名前を覚える
- 3.良いことをした瞬間をとらえる
- 4.おおやけにする
- 5.家族を含める
- 6.すぐれた提案を認め、励ます
- 7.現場を従業員に対する「感謝、認識、奨励
- 8.「感謝、認識、奨励」を毎日、自然に行う
- ・自分は特別だと思ってもらう
- ・個人として扱う
- ・敬意を払う
- ・知識を授ける
- 9.言葉に気をつける
- 10章 法則8・一歩先を行く
- 1.スポンジのように知識を吸収する
- 2.足りないものを補う
- 3.ビジネスの基本を学ぶ
- 4.もっともすぐれた人から学ぶ
- 5.ライバルから学ぶ
- 6.同僚に遅れない
- 7.顧客基盤を学ぶ
- 8.コンパスに従う
- コンパスの4方位
- ・ニーズ
- ・ウォンツ
- ・ステレオタイプ(先入観)
- ・エモーション
- 9.視野を広げる
- 10.あなたのチームにライバルたちの一歩先を行かせる
- 11章 法則9・言動に注意する
- 1.自分の役割に情熱的に取り組む
- 2.成果をおさめるためにはなんでもしよう
- 3.高い水準を設ける
- 4.前向きな姿勢を示す
- 5.プロとして見せ、プロとして振る舞う
- 6.つねにプロでいる ―― たとえ幕が下りたあとでも
- 7.当事者意識の手本を見せる
- 8.ユーモアを忘れない
- 9.すぐれたパートナーになる
- 10.謙虚になるべきとき
- 12章 法則10・人格を育てる
- 13章 未来のリーダー
次回以降は気になった章について、人に説明できるように自分の理解を解説していくことにする。
- 作者: リー・コッカーレル,月沢李歌子
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2008/11/29
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