ゴールデンウィークも昨日で終わり。今日から出社、という人も多いだろう。今年は(土日休みの会社の場合)1日と2日を休めば9連休になるので、海外旅行や帰省などかなり遠出した人も多いのでは?かくゆう僕もその1人。実家でのんびりしてきた。
さて、長期休暇のあとにつきものなのが「みやげ」である。「○○へ行ってきたんです。よかったらおひとつどうぞ」なんて言いながらお菓子を配る光景は、全国各地の職場で今日一日だけでも100万回以上実施されていることだろう(笑)。
そんな「みやげ」についての人間行動として、前に読んだ本に面白いことが書いてあったのでご紹介しておく。題して「みやげの法則」。
身のまわりを見渡せば、人間行動の法則はいくらでも見つかる。(中略)いま、あなたの家に客が訪ねてきた。数日前に、「ちょっと相談に乗って欲しい」と頼まれていた人だ。かなり前から知っているが、それほど親密な仲ではない。チャイムがなって、玄関を開ける。「どうもお忙しいところおじゃまします」。ていねいな挨拶が聞こえる。「こんにちは。お待ちしていました」と応える。その瞬間、あなたは客が右手に袋を持っていることに気づく。その中には、きれいな包装紙に包まれた箱が入っているではないか。「おみやげだ」と考えたあなたの直感は当たっているはずだ。相手を部屋に招き入れ話がはじまっても、袋はソファーの横に置かれたままだ。それから後、あなたはどんな行動をするだろうか。
このあと、客と「あなた」の心理と行動がありありと描写されていて面白いのだがちょっと長いので引用はここまで。要点をまとめると、みやげの法則とはこんな感じである。
- みやげの袋には目もくれず、客との話を続ける
- 「見ちゃいけない、見ちゃいけない」と考えるほど、目が袋の方に行きそうになる。
- 客が袋を差し出したとき、初めて袋があることに気がついたような顔をする。
- 二人の間で袋を押したり引いたりが2〜3回続く。(人によっては4〜5回)
- 「どうもすみません」。みやげをもらった方はお詫びを言う。
どれも心当たりがあるし、よく目にする光景だ。もはや、一種の儀式のようなものになっているように思う。
一方、相手が異なると違った「法則」が発動する。
玄関先に現れたのが大の仲良しだったとしよう。あなたは、相手がみやげの入ったような袋を持っていることに気づく。「わー、それ何だい?ひょっとしたら、おみやげ?めずらしいこともあるもんだ。もったいぶらずに、さっさと出しなさいよ」。仲の良い友達であれば、これが自然な反応である。人間は、自分が置かれた状況を考えて行動する。この場合も、われわれは法則にしたがって行動している。
「大の仲良し」という条件が主観的ではあるが、こちらの法則もなんとなくうなずける。
出典は、吉田道雄さんの『人間理解のグループ・ダイナミックス』。ほかにも、着席の法則や着替えの法則など、おもに集団とのかかわりをとおした人間行動の法則が述べられている。
こういった類の法則を集めてみるのは面白そう。みなさんの経験則としての「○○の法則」にはどんなものがありますか?
- 作者: 吉田道雄
- 出版社/メーカー: ナカニシヤ出版
- 発売日: 2001/12
- メディア: 単行本
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おまけ
IR関連で「おみやげの法則」というものもあるらしい。
http://www.tse.or.jp/listing/b_listing/ir/shiten_13.html
・ 自社製品以外のおみやげをくれる会社への投資は儲からない(=おみやげの法則)
本エントリとはまったく関係ないのだが、おまけとして。(^^;