認知症になったら何もできなくなってしまう……そう思っていませんか?
NHKドキュメンタリー「認知症の私からあなたへ」という番組で、そんな問いがぶつけられた。
http://www.nhk.or.jp/docudocu/program/3605/2549129/index.html
「認知症の私からあなたへ」
この番組は、51歳でアルツハイマー型認知症と診断された佐藤雅彦さんの10年間の歩みを、現在のご本人の姿と緒形直人さんによる再現ドラマで綴ったもの。番組プロデューサーからはこんな言葉が…。
佐藤さんは失われていく記憶と闘いながら、携帯やタブレットなどのIT機器を記憶装置として駆使したり、ボランティア活動に参加したり、様々なチャレンジをしています。
カラオケを楽しみ、英語のスピーチにも挑む、そして認知症である自らの思いを語る講演活動も続けてきました。そこには、“認知症に対する偏見”をなくしたい、そして“認知症になっても、人生を歩んでいくことができる”ということを伝えたいという強い信念があります。「不便ではあるけど、不幸ではない」
http://www.nhk.or.jp/docudocu/program/3605/2549129/index.html
そう語る佐藤さんの10年間の記録、驚きと共感に満ちています。ぜひご覧ください。
録画していた11月17日の放送を観て、僕自身が認知症そのものに対する先入観や偏見をすくなからず抱えていることにも気づかされたし、佐藤さんの語りや表情、メモや写真(素敵な花の写真!)などをみて、「認知症」に対する見方や考え方が大きく変わっていくのを感じた。
番組後半、佐藤さんが辛くなった時にときおり読み返す言葉として、こんな詩が紹介される。
痛みを感じるのは
生きているから
悩みがあるのは
生きているから
傷つくのは
生きているから私は今
かなり 生きているぞ
「私は今 かなり生きているぞ」という言葉に、痛みや悩みを抱えながらも生の喜びを感じることができた。
調べてみると、この言葉は 詩人・星野富弘さんの「イチヤクソウ 生きているから」という作品だそうだ。
(今年9月まで開催されていた星野富弘美術館「生きているから」展のポスターより)
星野さんも手足に重い障害を持っておられるなか、口で筆をもち素晴らしい絵と詩を生み出している方。佐藤さんのみならず多くの人を勇気づける力を感じた。
再放送あり!
本日 11/23(祝・月)13:05 から再放送される、とのこと。
「認知症なんてまだ自分には関係ない」と思っている方にこそ、ぜひご覧いただきたい。
http://www.nhk.or.jp/docudocu/program/3605/2549129/index.html