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『強い会社の教科書』で見つけた 3種類の「生き物」たち

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「ある言葉や表現が、なぜかとても気になってしょうがない…」。そんな経験ってないだろうか?


僕にとっては、「○○の生き物」という言葉がそれにあたる。
本を読んでいると「人は、○○の生き物だ」という形式で、人間の特性や習性が表現されるケースがよくある。*1


最近読んだ小山昇さんの『強い会社の教科書』でも、そんなフレーズをいくつか発見したので記録しておきたい。

強い会社の教科書

強い会社の教科書


1つめはこちら。

そうしたいと思ったときにのみ動く生き物

本書では、「強い会社」を作るためには「強いしくみ」が必要だ、と著者 小山さんは説く。
では、どうやったら強いしくみを作れるかというと、以下の2点を実践することだ、という。

  • 「数字として実際に成果が出ている業務」が正しい
  • 「人間の感情を理解したしくみ」を作る


そこで登場するのがこんなフレーズ。

つまり、人間は、「感情的に、そうしたいと思ったときにのみ、動く」、そういう生き物だということを、理解したうえで「会社のしくみ」を作らなければなりません。(p.012)


これには強く共感する。数字として成果が出ないことを「命令だ」と言ってやらせても人はついてこないし、いくら論理的に正しくても感情的に腹落ちしていなければ続かない。 そこを理解して会社のしくみをつくれ、ということ。

回数をこなすことでしか学べない生き物

部門ごとの利益計画作成について、役員・部長・課長へとそれぞれの利益計画をブレイクダウンする流れのなかで、こんなフレーズが登場する。

新任の課長の場合は、数字が正しくても(差異が少なくても)投げ返します。なぜなら、一度では勉強にならないから。もっと考えてもらうためです。「人は回数をこなすことでしか学べない生き物」なのです。(p.065)


武蔵野では、こういうやり方で繰り返し経験を与えて鍛えていくのだとか。
失敗すればポストを外れることもしょっちゅうあるのだが、逆に抜擢や再挑戦も可能になっているのがいい。


そして、昇進についてはこんな言葉が…。

クセや欠点を取り除くと、バイタリティーがなくなる生き物

昇進制度について、小山さんには「人を代えなければ、会社は変わらない」という想いがある。
ある部門を変えようとすると、そのときの課題をもとにどういう人材が必要なのかを考える。そして、あえて「仕事ができる社員」を代えるそうだ。


そのときにどんな人を選ぶか、という説明の際に、こんなことが語られていた。

私は、「クセや欠点のある社員」を積極的に昇進させています。「可もなく不可もなく」の社員を長に据えると、会社は弱くなります。なぜなら、「人間は、クセや欠点を取り除くと、バイタリティーがなくなる生き物だから」です。(p.338)


一瞬「ん?」となるこの言葉。その背景には、小山さんの次のような信念があるのだとか。

「クセや欠点」を多く持った人が、クレームを受けたり、理不尽な思いをたくさんして、それがやがて熟成して、長所に変わります


僕もクセや欠点はたくさんあるのだけれど、まっすぐに受け止めて理不尽な思いをするなかで、長所に変えていこう。




いろいろと学びの多い一冊でした。
小山さん、ありがとうございました!!


参考

これまで集めた「○○の生き物」という表現はこちら。

最近ちょっとサボリ気味だったけど、これを機にまた投稿していきたい。


なお、もう一つ「言葉のごちそう」フレーズも集めている。胸にグッとくる言葉、感情をグワングワン揺さぶる言葉、じんわりと気持ちが温かくなる言葉に出逢うたびに、「言葉のごちそう」というカテゴリで記録しているのだ。よかったら、こちらもあわせてどうぞ。


 

*1:このブログのタイトルも、まさにそうなのですが…