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共同体感覚の3要素 〜アドラー『人生に革命が起きる100の言葉』(その2)

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前回に引き続き、アドラー心理学の用語・概念について考えるエントリ。参照するテキストは今回も小倉広さんの『アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉』(以下、赤本)を中心に…。

2回目の本エントリでは、アドラー心理学でも中核となる概念「共同体感覚」をとりあげる。

共同体感覚とは

本から学んだことを書く前に、まず自分の前提知識から「共同体感覚」という用語の意味を類推すると、こんな感じだろうか。

「自らが所属している団体やコミュニティに対して抱く感情。そこに所属していることで感じるつながり。」

例えば、家族の一員としての安心感、会社の一員としての責任感、日本人としての一体感 みたいなものが思い浮かぶ。

アドラーによる定義

一方、赤本では、68番目の言葉として、共同体感覚が以下のように解説されている。

「他者は私を援助してくれる」
「私は他者に貢献できる」
「私は仲間の一員である」
この感覚がすべての困難からあなたを解放するだろう。


人生の困難解決につながる「共同体感覚」とは、その構成要素として次の3つでできている、ということだ。

  • 他者信頼(他者は私を援助してくれる)
  • 自己信頼(私は周囲の人へ貢献できる)
  • 所属感(私は共同体に居場所がある)


「他者信頼」と「自己信頼」は、名前のように相互に影響する関係にありそうだ。身近な共同体であるほど、援助や貢献を強く感じることができる。


3つ目の「所属感」は、「他者信頼」と「自己信頼」の結果によって感じられるものだとの記述がある。たしかに、家族を例に考えると、受け入れてもらえる(=援助してくれる)と感じることで所属感が増すだろうし、職場では、援助された状態で貢献できることがあればあるほど所属感が増すように思う。

共同体感覚を高める2つの行動

したがって、共同体感覚を高めて生きていくためには、「他者信頼」と「自己信頼」を高めることが鍵になる。赤本には、そのためのヒントとして次の2つの行動が挙げられていた。

  • (ほめるではなく)感謝を伝える (73番目の言葉)
  • 他の人を喜ばせる (74番目の言葉)


他者の援助行動そのものを増やしたり高めたりできなくても、自分の心のアンテナを高く広く掲げることによって「他者信頼」への【気づき】を高めることができる*1。また、周囲への貢献については、「この程度で役に立つかな」とか「ひょっとするとお節介?迷惑?」という思いを乗り越えるためのちょっとした【勇気】がポイントになりそうだ。


感謝を伝え、人を喜ばせること。
まだまだできていないことも多いので、気づきと勇気を胸に秘め、これまで以上に行動してみよう。

*1:個人でこんなワークをする手もある→ http://d.hatena.ne.jp/hito-kan/20131116/ohlife