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人間はよくなりたい生き物である 〜 『かかわり方のまなび方』より

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西村佳哲さん(リビングワールド代表)の『かかわり方のまなび方』を読んだ。


本書は、著者 西村さんが、ワークショップやファシリテーションの世界で活躍する方々との対話を通じて、人との「かかわり方」についての考えを綴ったもの。人と人とのつながりに興味がある僕は、とても楽しく読ませてもらった。(本そのものについての感想は MediaMarker に記録)


3章「人の見え方」には、西村さんが橋本久仁彦さん(プレイバックシアタープロデュース代表)へインタビューしたやりとりが載っていた。このなかで紹介された、橋本さんの人間観がとても印象的だったのでメモしておく。
 

−−橋本さんご自身は、人間をどんな生き物として見ていますか?

橋本 パッと浮かぶのは「よくなりたい生き物である」という言葉ですね。(中略)
 「よくなる」とは、生命としてよりハッキリと存在することだと思います。

−−この「よくなりたい生き物である」というのは、たとえば「人間は成長したい生き物である」というのとは違いますか?

橋本 「成長」という言葉は、最近ちょっと使いづらいですね。含まれている概念が邪魔な感じがします。
 (中略)
 本来、ファシリテーターから「あなたよくなったですねー」「感情が出ていて人間ぽいですよー」と言ってもらうような、他人から基準をもらうことではないだろう、という意味です。


他人からみた「成長」を求めるのとは違い、自分自身の基準での「よくなる」ことへの強い欲求こそが人間の本質だという主張には、とても納得感があった。


橋本さんは、さらにこんな風に言葉をつないでいく。

−−では「よくなる」とは「一致する」ことには近いですか?

橋本 近いです。自分の内側との一致ですよね。なので自分がよくなったかどうかは、自分だけが知っているはずです。


人が「よくなる」、すなわち、「自分の内側と一致する」のをサポートするようにかかわることを、本書では、カール・ロジャース氏の提唱したパーソン・センタード・アプローチとして紹介していた。関連する用語として、非構成的エンカウンターグループというグループセッションについての記述もあった。


今まで耳にしつつもちゃんと理解してこなかったこれらの言葉について、今後意識して学んでいこうと思う。

読書メモ(MediaMarker)