ヒト感!!

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「大丈夫」な人

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「きっと大丈夫だよ。うまくいくって!」
「あの人なら大丈夫。」


そんな風に言われると、安心したり、信頼を感じたりする。
現代では、形容動詞として使われることの多い、この「大丈夫(だいじょうぶ)」という言葉は、もともとは違った意味だったらしい。


季刊誌「Works」vol.99 の田口佳史さん連載「人事の哲学」では、こんな風に解説されていた。

 今、日本では別の意味合いで使われていますが、本来は「大いなる丈夫」、士大夫(したいふ。科挙出身の高級官僚)を意味する言葉です。
 富貴に淫せず、貧賤にも損なわれず、居丈高なふるまいをする人にも屈しない。こういう人が「大丈夫」なのです。(p54)


これは『孟子』に登場する以下の言葉を解説したもの。

 天下の廣居(くゎうきょ)に居り、天下の正位に立ち、天下の大道(だいどう)を行く。志を得れば民と之に由り、志を得ざれば獨り其の道を行ふ。富貴も淫すること能はず。貧賤も移すこと能はず。威武も屈すること能はず。此れ之を大丈夫(だいじょうふ)と謂ふ、と。 


大丈夫(だいじょうぶ)ではなく、大丈夫(だいじょうふ)。


外部からの誘惑や圧力にもゆるがない強い意志を持って行動する人、そういう人でありたいもの。


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