先日、尊敬する先輩のデスクの上でみかけて、「読んでないの?これはバイブルだよ」と薦められたのが『企業内人材育成入門』という本。
- 作者: 中原淳,荒木淳子,北村士朗,長岡健,橋本諭
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2006/10/20
- メディア: 単行本
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「どこかで見たことある表紙だなぁ…」と思いつつ帰宅して自宅本棚をながめてみると、未読本コーナーにしっかりささっていた。少し前に購入してねかせていたらしい。ようやく(僕にとって)読み頃に熟れてきたってことかな?(笑)。
東京大学教授の中原淳さん編著のこの本は、企業や組織で「人育て」に関わる多くの人に向けて書かれた“「人を育てるための心理学、教育学の基礎理論」を簡潔に紹介する入門書”。読んでみると、聞いたことのある理論(カークパトリックの四段階評価、計画された偶然理論(planned happenstance theory)等)が概説されていたし、ADDIE*1やP-MARGE*2など僕自身初めて聞く言葉も解説されていて、詳しく調べるためのとっかかりとして全体像を広く知るためによさげな本だった。
とはいっても、理論や用語が堅苦しく解説されているわけではなく、ストーリー仕立てで書かれている節もあり頭に入ってきやすかった。そんななかでふと出合ったのがこちらのフレーズ。
人は一人だけでは、一人前になれない。
そして、あなたも、一人の力で一人前になったわけではない。
人が一人前になるとき、その傍らにはかけがえのない他者がいる。(p.58)
ある意味で当たり前のことかもしれないけれど、「かけがえのない他者」という表現にハッとした。
傍らにいてくれるありがたさを噛み締めつつ一人ひとりとのご縁を大切に育んでいこうと決意すると同時に、僕もだれかにとってのそんな存在になっていきたいと思った。