本屋でタイトルが気になって買った、加藤諦三さんの『「行動できない人」の心理学』。
- 作者:加藤 諦三
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2008/01/08
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
前半では「行動すること」の効能が説かれていて「ふむ、そりゃそうだ」と軽く読み流していたのだが、後半になってちょっと毛色が変わり、俄然おもしろくなってきた。加藤さんの説く「ノーということ」の解釈が、僕にとって痛気持ちいいところを突くもので、すごく新鮮だったのだ。
題して「自分を発見したいなら、ノーといいたい時にイエスといわないこと」。
具体的には、次の記述が心にひっかかった。
ノーというべきところでノーといわなければ、われわれは自分を発見することはできない。それを小さなこと、一見くだらないことのように軽蔑してやらないということがよくない。
たとえば図書館で話をしている人がいたとする。“うるさいから止めてください”といいたい時がある。そんな時、“そんなこと”したってべつに自分にとってどうということはないと自己喪失している人は思う。しかしこのような小さな行為を通じてこそ、われわれは自己を回復していくものなのである。(p.168-169)
われわれはよく小さいことを“くだらない”と合理化してしまう。しかし本音は“くだらない”より“いや”なのではなかろうか。
(中略)
ノーといわずに陰口をいうくらいなら、どんな小さなことにも大きな精力を使ってノーというべきである。
(p.171-172)
あまり好ましくない現状を「ま、しょうがないよな…」と無批判に受け入れそうになった時、「ちょっと待て、本当はノーと言いたいんじゃないか!?」と自問してみることにしよう。
追記:
本書のオリジナルは、今から20年以上前に大和出版から出版された『行動すること』。
- 作者:加藤 諦三
- 出版社/メーカー: 大和出版
- 発売日: 1986/07
- メディア: 単行本