「自分電視台」「24人の加藤あい」「東京恋人」「百萬男」…。
いくつものテレビ番組をプロデュースしてきた おちまさと氏の「企画立案のための考え方の筋道」を紹介したのが、この『企画の教科書』。
おちさんは自分のことを“企画屋”ではなく“企画家”と名乗る。たった1文字の違いだけれど、作家、建築家、音楽家など「家」のつく職業には、その道で飯を食うプロとしての意気込みを感じる。
#“よろず企画屋”と名乗るのは再考しよう(^^; > 自分
さて、本書では以下の流れで企画立案について語られている。
- 第1章 企画が溢れる“企画脳”をつくる
- 第2章 実践!企画立案法
- 第3章 マーケティングに負けない
- 第4章 企画のツメ・演出と企画書
- 第5章 企画会議必勝法
- 補章 企画にまつわるエトセトラ
最近、社内で新たな「企画」を通そうとしている立場としてひっかかった3箇所を抜き書きする。
企画が愛されるための5箇条 (p.66〜、p.92)
その1 特性 (その業界の特性を利用しているか?)
その2 振り幅 (ありがちなスタートとエンディングになっていないか?)
その3 普遍性 (誰にでも愛される企画か?
その4 やられた感(楽しい意外性を持っているか?)
その5 時流 (今の時代の匂いがするか?)
特に「振り幅」。到達点は同じでも、ハンディキャップやマイナス要素からスタートすると与えるインパクトは大きくなる。
ドカン、…………、ドンドンドン(p.165)
会議の時間は有限です。その中で印象づけたい事柄は、発表する順番と密接に関係しています。
まずは、当たり前ですが、言いたいことをひとつ、ドカンと冒頭にもってきましょう。2つ目からは、ただ笑えて興味深いような事柄を並べ、最後に「これだ」という事柄を3つ程度に絞ってテンポよく並べます。すると、印象として残るのは、初めのひとつか、最後の3つになるのです。
プレゼンテーションは重要。どう印象づけるか、自ら演出するべし。
同じモノを見ない(p。39)
例えば、会社での飲み会。乾杯の挨拶をする部長を前にして普通の社会人なら、きっと部長の顔を見るでしょう。意識、無意識にかかわらず、特に目上の人間が発言しているときには、その人の顔を見てしまうものですから。でも、そこで“その他大勢”と同じ行動をして、どうするのです?そんなときこそ、他の人とは同じモノを見ない、という意識が大事です。普段へいこらしている係長がやっぱり大げさにうなずいている姿でもいいですし、次期部長を狙っている課長の不敵な微笑み、でもいいですし。部長じゃないところを見て面白いモノを探すことです。これは、同じ時間を過ごしながらも、他の人とは違うモノを見るという訓練です。それこそが重要なのです。
日常の「心構え」を具体的「行動」におとすとこういうことなんだ、と妙に感心。このことを意識して気づいたことをメモとしてたくわえていくと、たくさんの企画ネタが溜まりそう。
以上、『企画の教科書』からの気づきでした。
- 作者: 「おちまさとプロデュース企画の教科書」をつくる会
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2003/04/25
- メディア: 単行本
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関連エントリ
- 『企画火山』(人は感情の生き物だ!)
- 1年半前に、本書の第二弾を読んじゃってました。