ヒト感!!

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学習高原(プラトー)を乗りきる秘訣/『達人のサイエンス』に教わったこと


昨日、ICHIROYA和田さんのブログで「成長曲線」についてのエントリを読んだ。

成長曲線と学習高原(プラトー)

読みながら思い出したのが、6年前に勤め先の新入社員 約80人の前で話をしたときのこと。

職場に配属されて4ヶ月たった彼らをフォローアップするため、毎年10月に開催していたその研修では、若手先輩社員たちが体験談を話してくれることになっていた。人事部にいた僕はその前座役で、“成長に関する2つのキーワード”の 1つとして、まず「成長曲線」を紹介した。

少しずつ仕事の中身が見えてくる時期。できることが増えてきた実感をもっていた人には、頷きながら聞いてもらえていたように思う。


一方、教わっている仕事がなかなか身につかず、自身の成長を感じられない人も少なからずいるのがこの時期だ。そんな彼らに向けて、もう1つのキーワード「学習高原(プラトー)」も紹介した。


この 2つのキーワードとともに、「成長は諦めない人に訪れる」という話をしたのだが、さて、思いは届いていたのだろうか…。

『達人のサイエンス』に教わったこと

この2つのキーワード、特に学習高原(プラトー)という言葉を知ったのは、『達人のサイエンス』という本がきっかけだ。

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「強い絆」は重すぎる!? ~ 『生き心地の良い町』オンライン読書会で学んだこと

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「絆は強い方がいいのだろうか?」

そんなことを考えさせてくれたのが、岡檀(おか・まゆみ)さんの著書『生き心地の良い町 この自殺率の低さには理由(わけ)がある』だ。

『生き心地の良い町』


(本ブログ執筆時のレビュー21件中、20件が★5つ!)

地域コミュニティが住民の精神衛生にどんな影響をあたえるのか。
大学院でそんな研究をしていた岡さんが、日本国内でも極めて自殺率が低い 徳島県・海部町(現・海部郡海陽町)と出合い、現地に入って住民の方たちと丁寧な話し合いを重ね、国内各地のデータと比較・分析するなかで、その理由を明らかにしていく。


真面目なテーマにもかかわらず、堅苦しい学術書の雰囲気を感じないのは、ふんだんに登場する海部町の方々との会話文のおかげだろう。「迷いよん?」「ほやから」「話よったんじぇ」などのほっこりした徳島弁(阿波弁?)が柔らかい雰囲気を醸し出している。(父が徳島出身の僕には耳馴染みのある響き&リズムだったので、読みながら何度も笑顔になった)

5つの自殺予防因子

岡さんが海部町のフィールドワークの結果たどり着いたのは、これまで言われていた自殺危険因子ではなく、5つの「自殺予防因子」があるってこと。

  1. いろんな人がいてもよい、いろんな人がいたほうがよい
  2. 人物本位主義をつらぬく
  3. どうせ自分なんて、と考えない
  4. 「病」は市に出せ
  5. ゆるやかにつながる


僕が個人的に気になったのは「ゆるやかにつながる」の箇所。次の記述がある。

海部町では、「ゆるやかな絆」が維持されている。
(略)
隣人間のつきあいに粘質な印象はない。基本は放任主義であり、必要があれば過不足なく援助するというような、どちらかといえば淡白なコミュニケーションの様子が窺えるのである。(p.83)


本書で紹介されているアンケート結果によれば、自殺多発地域であるA町では「日常的に生活面で協力」が最多回答(44.0%)だったのに対し、海部町では「立ち話程度」と「あいさつ程度」のつきあいが多く(それぞれ 49.9% と31.3%)、かなりあっさりしたつきあいを行っている、のだとか。


もちろん、絆はないよりもあった方がよいと思うが、他の地域での絆は精神的に重いものになっているのかもしれない。


海部町の特質は、他にも次のような言葉で紹介されており、このあたりにも軽やかさを感じる。

  • 関心と監視
  • スイッチャー
  • 援助希求
  • 言葉だけでなく態度
  • 生活していく上で賢い
  • 住民気質=自殺対策の鍵
  • みせづくり=サロン機能
  • 一度はこらえたれ
  • いいとこ取り
  • “どうぜ”は言わないキャンペーン
  • 野暮ラベル


「スイッチャー」「一度はこらえたれ」「野暮ラベル」はとても気になる。

オンライン読書会、始めました

本書の発売は 2013年7月なのだが僕が知ったのはつい先月のこと。コミュニティ運営者が集まるFacebookグループ(コミュニティマネージャーズ・コミュニティ(CMC))で教えてもらったばかり。


読んでみて感じたのは、地域コミュニティに限らず、企業内コミュニティやテーマコミュニティなど、さまざまなコミュニティの生き心地や居心地のよさを考えるのにとてもよい本だな、ということ。


そんなわけで、これらテーマをもっと考えるために、CMCのサブグループとしてオンライン読書会を立ち上げた。
https://www.facebook.com/groups/1594663167442181/

「CMC読書会」は、コミュニティ運営に役立つ本を、隔月1冊課題図書として選び、おもにFacebook上でオンラインでやりとりする形で運営しています。

■第4回開催中!■
 『生き心地の良い町』(岡檀 著)


本テーマに興味のある方は、ぜひお気軽にご参加ください。
こちらからどうぞ。

追記

読書会開催レポートを書きました。

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Milliard プラグインを設置して気づいた 3つのこと

最近ブログでよく見かける「Milliard」という単語、
その意味がパッと答えられるだろうか?

かくいう僕は、このエントリを書きはじめるまで知らなかった(笑)。
……もとは「10億」をあらわすイギリス英語なのだとか。

Milliardとは?

で、いま話題になっているのは、こちらのMilliard。

Milliard関連ページプラグインについて | シスウ株式会社

シスウ株式会社が提供する、ブログの関連ページを表示するプラグインだ。


読者登録しているブログ(粕尾将一さん(id:shoichikasuo)のなわとび1本で何でもできるのだ)で見かけて、そのアイキャッチ写真を中心にした洒落たデザインと、スクロールで関連ページがヌルヌルッと表示されてくる感覚(体験)が気持ちよくて、妙にツボにはまった。

本ブログに Milliardを設置すると、記事下にこんな風に表示される。
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このプラグイン、いまのところ WordPress / Blogger / はてなブログ / Livedoorブログ / FC2ブログに対応しているのだとか。(興味ある方は、各ブログ向けの設置方法紹介を)

参考:はてなブログへの設置方法

Milliard関連ページをはてなブログで設定する方法 | シスウ株式会社


本エントリは、「Milliard を設置した」という更新履歴である。とともに、ブログに設置して気づいたこと3つを以下に記録しておく。今後、設置を検討する方に何らかの参考になれば…。

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exiii の handiii がカッコイイィ!

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(この近未来的な感じは、なんなんだ?)


昨日、Facebook でふと見かけて、目が釘づけになったのがこちらの記事。


紹介されていたイクシー株式会社(exiii Inc.)のCEO 近藤玄大さんの発言が素敵だ。

「障害がプラスに変わる世界・・誰もが憧れ、使いたがる。そんな義手を作りたい」


近藤さんが仲間ら3人で開発している handiii は、節電義手というジャンルのプロダクト。

筋電義手とは、手を失われた方が残された腕の筋肉の電気信号を介し直感的に操作できる義手のことです。この技術は既に商品化されているものの、以下のような致命的な課題は解決されていません。

  • 非常に高価(150万円以上)
  • ユーザ自身で修理・カスタマイズすることが困難
  • デザインの選択肢が少ない


これらの課題に、3Dプリンターを活用してコストを下げることで対応し、スニーカーや腕時計のようにその日の気分に合わせて付け替える、そんな世界を目指しているのだとか。

デザインもさることながら、実現しようとしているビジョンもカッコイイ*1


記事のなかで紹介されている動画がこちら。

義手だからこそ掴める未来がある| Future Makers #1 by Spotwright


歌手のBeauty&Snowさんが、開発中の義手でマイクを握るシーンは、観ているこちらにも喜びが伝わってくる。


exiii の handiii は、現在投票中の「Googleインパクトチャレンジ」のファイナリストとしても選出されている。
気になる方はぜひ応援の一票を!(投票期間は3月26日まで)

impactchallenge.withgoogle.com

*1:昨年末には、NEWS ZEROやWBSにも取り上げられていたようですが、僕は昨日はじめて知りました

「死ぬのは怖いですか?」への塩沼亮潤 大阿闍梨の答え 〜 SWITCHインタビュー達人達 より

Eテレの「達人達」という番組をご存知だろうか?


僕はこの番組のためにNHK受信料を払っていると言ってもいいかもしれない(いや、ちょっと言い過ぎ。他にもEテレ、総合の両方に気になる番組がある 笑)。以前(「人」から学ぶためのテレビ番組 7本)を書いた当時は放送しておらず、2013年に開始した番組で、ここ最近つよい興味をもって観ている。


SWITCHインタビュー達人達 アンコール「角幡唯介×塩沼亮潤」


2015年3月21日は、探検家・角幡唯介さんと僧侶・塩沼亮潤さんの対話がアンコール放送されていた。テーマは「生の輪郭 命のかたち」。

地球最後の未踏地帯を単独踏破した探検家・角幡唯介と、千日回峰行という命がけの荒行を達成した僧侶・塩沼亮潤。極限状態を経験してきた2人による生と死をめぐる対話

http://www4.nhk.or.jp/switch-int/x/2015-03-21/31/28373/

(番組Webには過去3ヶ月分だけ掲載らしいので、番組ブログをどうぞ)


以下、この放送を観て感じたことを…。

修行と探検で向き合った「生」と「死」

番組前半では、塩沼さんが、ひとたび始めれば止めることは死を意味する過酷な修行(大峯千日回峰行*1)の話を。そして、角幡唯介さんが、マイナス50度にもなる北極圏や前人未到の峡谷に挑んだ冒険の話を紹介していく。


この話は、それぞれの著書に詳しく書かれているのでぜひ読んでみたい。

人生生涯小僧のこころ

人生生涯小僧のこころ



おふたりとも「死」に限りなく近づいた瞬間があり、だからこそ「生」を強く意識したと語っていた。

その一方で、漁師や農家の方など

(期限をきめず)
自然と向き合って毎日を過ごしている人には敵わない

と話していたのが印象的だった。

「死ぬのは怖いですか?」への答え

番組後半、原生林の中に場所を移して話し合う二人。

対話の終盤にさしかかり、角幡さんが「もうひとつ、僕聞きたいことがあって…」と切り出したのが、「死ぬのは怖いですか?」という質問だった。


塩沼さんは、笑いながら「何回か死にかけているので、もう怖くもなんともなくなった」「死を意識するっていうことは全くなくなった」と答えたあと、こう語った。

*1:大峯千日回峰行を満行すると、大阿闍梨(だいあじゃり)の称号を得る。吉野・金峯山寺 1,300年の歴史のなかで塩沼さんが2人目

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